• 2025/04/10 掲載

NY市場サマリー(9日)米国株急反発、ドルが対円・スイスフランで上昇、10年債利回り上げ幅縮小

ロイター

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<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円やスイスフランを含む安全通貨に対し上昇した。トランプ米大統領が相互関税の一部を90日間停止すると発表したことが材料視された。

ドルは序盤、相互関税の発動を受け、他の通貨に対して弱含んでいた。

トランプ大統領は貿易相手国に対する相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表した。一律10%の基本関税は維持する。同時に、中国に対する追加関税を125%に引き上げ即時発効すると発表した。

クラリティFX(サンフランシスコ)のエグゼクティブディレクター、アマルジット・サホタ氏は、とりわけ株式市場は90日間停止のニュースを好感していると指摘。同時に「向こう90日間にかけ一段の不確実性を生み出すことになる」という見方を示した。

ドル/円<JPY=EBS>は1.2%高の148.80円と、序盤の下げから切り返した。

<債券> 米金融・債券市場では、財務省が実施した10年債入札が堅調な需要を集めたことに加え、トランプ米大統領が貿易相手国に課した一部の関税措置の一時停止を発表したことを受け、10年債利回りが上げ幅を縮小した。

終盤の取引で10年債利回り<US10YT=RR>は12.6ベーシスポイント(bp)上昇の4.386%。一時は4.515%と、2月20日以来の水準に上昇していた。

市場関係者は、10年債入札の堅調な需要と一部関税の一時停止で、少なくとも短期的には市場に安定がもたらされる可能性が高いと指摘。ルーミス・セイルズ・アンド・カンパニーのポートフォリオマネージャー、マット・イーガン氏は「米債券市場の流動性は、リスクの観点からは無視できない問題だった」とし、「市場が機能不全に陥る時点に極めて接近していたため、状況の安定化に役立った」と述べた。

ただ、オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)のヘッド・アナリスト、ジョン・カナバン氏は、トランプ氏が一部の関税措置の一時停止を示したものの、不確実性は解消しないと指摘。「関税水準が毎日のように変化しているように見えることで不確実性が生じている」としている。

財務省が実施した10年債入札は、最高落札利回りが4.435%と、入札前取引を約3bp下回った。応札倍率は2.67倍と、昨年12月の入札以来の高い水準だった。

<株式> 米国株式市場は主要3指数が大幅上昇して取引を終えた。トランプ米大統領が9日、貿易相手国に対する相互関税の上乗せ部分を90日間停止すると発表したことが、世界経済への影響を懸念する投資家に安心感をもたらした。

S&P総合500種は9.5%上昇し、1日の上げ幅として2008年以来の大きさとなった。

トランプ氏は9日、貿易相手国に対する相互関税について、国・地域ごとに設定した上乗せ部分を90日間停止すると発表した。一律10%の基本関税は維持する。一方、中国に対しては追加関税を125%に引き上げ、即時発効すると表明した。中国が米国に対する追加関税率を当初発表の34%から84%に引き上げると発表したことを受けた措置。

市場では売り込まれた銘柄を買い直す動きが広がった。

ボルビン・ウェルス・マネジメント・グループのジーナ・ボルビン社長は「状況の明確化に向けた一歩との見方から、当座の市場の反応は圧倒的にポジティブだった」と述べた。同時に「90日後にどうなるかを巡っては不透明感が残り、投資家は今後もボラティリティリティーに苦闘する可能性がある」とした。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、貿易摩擦激化への懸念が高まる中で買い進まれ、大幅続伸した。

トランプ米政権が打ち出した相互関税の第2弾が9日に発動した。貿易赤字が大きい約 60カ国・地域からの輸入品に対し、個別に追加関税を課す。一律10%の基本税率分はすでに発動しており、今回で完全適用となった。報復措置を打ち出した中国に対しては、計104%を賦課。中国政府はこれに対抗し、米国からの全輸入品に課す追加関税の税率 を84%に引き上げると発表。欧州連合(EU)欧州委員会は9日に報復関税を発動することを決定、15日に第1弾の措置を発動する。報復関税の応酬が世界的な景気減速を招くとの警戒感が強まり、安全資産としての金に買いが集まる展開となった。 ただ、トランプ米大統領は9日午後、SNSの投稿で2カ国関係に基づく相互関税のうち、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分について、中国を除き90日間停止すると発表した。これを受けて、投資家のリスク回避姿勢が急速に後退、金は上げ幅を一部縮小した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、トランプ米大統領が9日発動した「相互関税」を巡り、中国を除き上乗せ分を90日間停 止すると発表したことを受け、買い戻しが殺到し、5営業日ぶりに反発した。

トランプ大統領は9日、相互関税の第2弾を発動した。貿易赤字が大きい約60カ国・ 地域からの輸入品に対し、個別の追加関税を課す措置で、既に発動した一律10%の基本税率と合わせ、今回で完全適用となる。相互関税への報復措置を打ち出した中国には計1 04%の追加関税賦課。これに対し、中国は米国からの輸入品に課す追加関税の税率を10日から84%に引き上げると発表した。経済大国の米中が報復関税をかけ合う中、貿易戦争の激化は避けられず、世界的な景気停滞を招くとの警戒感が広がり、原油売りが先行。 相場は一時55ドル台まで下げた。

しかし、トランプ大統領が午後SNSに投稿し、9日発動の相互関税について、貿易相手国ごとに設定した上乗せ分を中国を除いて90日間停止すると発表すると、金融市場の流れは一転。過度の先行き警戒感が和らぎ、米株価が急騰する中、株式と並ぶリスク資産とされる原油にも買い戻しが波及した。最近の下落基調を受けた値頃感による買いも加わり、相場は一時63ドルに迫る水準までに上昇した。

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