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  • 2014/10/28 掲載

優秀な内定者を囲い込むためのSNS活用の方法、そのリスクと対策も解説

連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント

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2015年度の新卒者を採用する企業の多くでは、10月になって内定式のシーズンを迎えている。企業としては、採用のためのテストや面接を繰り返した中で優秀な人材に内定を出して、ひとまず採用活動は終わっているが、人事担当者は入社までの間、内定者をさまざまな形でフォローしなければならない。というのも、今年は学生の半数が2社以上から内定を得ていると言われる売り手市場。そのため、“内定者の囲い込み”も必要になっている。そこで有効なのがSNSだ。実際、Facebookを内定者の交流の場として積極的に活用する企業も増えてきた。しかし、一方でSNSを活用するリスクも存在する。今回は、内定者向けのSNS活用とそのリスクについて解説する。

企業が内定者囲い込む理由

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 10月1日、主要企業の多くで2015年度の採用に向けての内定式が行われた。大手企業の業績の改善が見られる中、リクルートが発表した8月1日時点での大学生の就職内定率は78.2%となり、前年の72.0%と比べて6.2ポイント上昇となるなど、就職活動が売り手市場に移っている。中堅・中小企業などでは、採用計画に沿った人材確保が困難なケースも出てきているようだ。

 そこで重要になるのが、企業による「内定者の囲い込み」だ。内定が決まっているのだから「囲い込み」という言葉に違和感を感じるかもしれないが、景気回復で学生の半数が2社以上から内定を得ていると言われ、内定後も新卒争奪戦の様相を呈している。

 企業としては、お金も手間もかけて内定を出した優秀な学生に内定を辞退されてしまうと、大きな損失になってしまう。そのような事態に陥らないためにも、企業はさまざまな工夫を凝らしている。

 内定式で社長や重役が思いを語ったり、中には社長から内定通知書を直接手渡す企業もある。また、内定式後には、ボーリングなどのレクリエーションの他、食事やお酒を交えた懇親会を開くことも多い。

 このようなリアルな場でさまざまなイベントを行い、内定者同士や先輩社員との親睦を深めたり、会社の雰囲気を感じてもらうことは、内定者にとっても社会人の心構えができたり、不安の払拭につながるだろう。

 しかし、内定式の後も、採用担当者は内定者のフォローに追われる。内定後も自分が納得するまで就職活動を続ける学生もいるため、採用担当者としては安心できないからだ。

 とはいえ、彼らは学生が本業である上、中には遠方から来る内定者もいるため、頻繁に集まることはできない。

 そのような事情もあり、近年、内定者の囲い込みに活用されているのがSNSである。現代の新卒者の年代は、デジタルネイティブ世代とも呼ばれ、SNSを通じたコミュニケーションが当たり前となっている。このことから、FacebookなどのSNSを、内定者とのコミュニケーションや連絡手段として活用することは両者にとってメリットがある。

内定者とのコミュニケーションにSNSを活用

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 SNSは気軽につながることができるツールだ。ビジネスの世界においては、名刺交換が通例だが、それだけに留まらず、Facebookでつながることも多くなってきた。なぜならFacebookでは、相手の趣味や日常生活での行動など、仕事を抜きにしてプライベートの顔でもつながれるため、相手との距離感を縮められる。

 これは、企業で働く社員(社会人)とその企業の内定者(学生)の距離を縮めるのにも同様に役立ってくれる。働く社員としてのプライベートな一面を見てもらい、人となりを知ってもらうことで、企業への親近感や愛着心が生まれるからだ。

 また、SNSでつながるだけではなく、企業の本当の狙いはグループ機能の活用であることも多い。Facebookでは、限られた人だけが情報を共有できるグループ機能がある。

 内定者を集めたFacebookグループでは、スケジュールについての連絡事項を共有したり、内定式、レクリエーションなどイベントの時に撮った写真を簡単に共有することが可能だ。他にも、先輩社員が働く現場をレポートしたり、内定者から質問があればそれに答えることもできる。

 企業によっては、SNSを通して内定者に何らかの課題を与えることもある。そうした経験からコミュニケーションが活性化され、信頼を得ることができれば、内定者同士の絆も深まり、他社への流出を防ぐことにもつながる。

 このような活用方法がある一方では、リスクも存在する。

【次ページ】SNS活用を失敗すれば逆効果
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