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- 2013/11/25 掲載
ソーシャル時代の企業ブランディング、ソーシャルモニタリングで見えてくる自社の課題
連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント
ソーシャルメディア上の情報を収集する
日々、ソーシャルメディア上で生活者によって共有されている情報の中でも、特に自社に関連する情報は宝とも言えるありがたい社会の声である。これらの声に積極的に耳を傾けることで自社にとって今まで見えていなかった課題も見えてくるだろう。ツイッター社がIPO前に公開した情報によれば1日のツイート数は全世界で約5億回にのぼる。また、ツイッター以外にもフェイスブックやブログ、掲示板などを含めて考えると日々膨大な情報が共有されていることになる。
モニタリングツールを提供する会社はいくつかあるが、安いもので月額数万円、一般的には十数万円から利用できるものが多いようである。それぞれ収集できるソーシャルメディアのサービスや機能はさまざまなため、必要な機能や予算を鑑みて決定するといいだろう(具体的なツール情報は追って紹介したい)。
導入後は、自社の社名や通称、ブランド名、商品名などいくつかのキーワードを登録し、情報を収集する。
一般消費者が日常的に購入、あるいは利用する商品やサービスを提供している企業は、ソーシャルメディアに投稿される情報量が多い傾向にある。逆に一般消費者と関連性が薄い場合、ソーシャルメディアに投稿される情報量は少なくなる。
もちろん情報量は多いに越したことはないかもしれないが、分析する上で量よりも重要なのは“中身”と“質”である。
キーワードだけでは見えてこない情報の中身を分析する
情報を集めたら次はその中身を見ていきたい。下の表は「iPhone」というキーワードに関するツイート数の推移である。生活者の中でたくさん話題になっているのは注目を浴びている証拠だ。その中身を見ると「iPhone」と一緒に投稿されているツイートに関して形容詞のランキングの1位は「ない」である。以下、「いい」(2位)、「早い」(3位)、「欲しい」(4位)、「安い」(5位)と続く。
そして、ツイートの中身を見ると、1位の「在庫がない。」といった一見ネガティブなようだが、「早く欲しい!」と言った内容で締めくくられており結果的にはポジティブな投稿がされているケースが多く見られる。
一方、二重価格表示問題で騒ぎになった「楽天優勝セール」というキーワードと一緒に投稿されている形容詞は、「安い」というキーワードが上位に来ているものの、その中身を見てみると、「(楽天優勝セールより)Amazonの方が安い」といった内容の投稿がたくさん出ていることがわかる。
さらに拡散されているリンク先のまとめサイトを見ると、問題になった出展商品の情報が掲載されている。また、その他の形容詞を見ても「ひどい」や「高い」という形容詞とともに明らかにネガティブな投稿も目立つ。
わかりやすくするため、対照的な2社を短期的なデータから取り上げたが、企業がブランディングを行っていく上では、短期的なデータはもちろん、中長期的な評価も分析する必要がある。
【次ページ】投稿者の分析で何が見えてくるのか
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