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- 2012/10/03 掲載
5つの実例に見るソーシャル活用リスクと、炎上から自社を守る6ステップ
連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント
企業アカウントよりもリスクが高い個人の炎上・トラブルの実態
前回は、企業にとってのソーシャルメディアのリスクを次の3つに大別し、1つ目の企業アカウントを運用する上でのリスクについて詳しく紹介した。- 企業アカウントを運用する上でのリスク
- 従業員の個人利用におけるリスク
- 生活者(第三者)から生成される口コミ情報のリスク
今回は、2つ目の「従業員の個人利用におけるリスク」について詳しく解説する。従業員がソーシャルメディアを「個人利用」することで、どのような問題が起きるのだろうか。まずは炎上・トラブルに発展する5つのパターンを紹介しておく。
1)非公式アカウント | 公式アカウントとの判別が簡単につかないアカウントを従業員が開設してしまう可能性。 |
2)情報漏えい | 顧客情報や個人情報、機密情報などがソーシャルメディアを通じて漏えいしてしまう可能性。 |
3)不適切な発言、表現 | 不適切な内容を投稿する可能性。 |
4)誹謗中傷 | 競合他社や第三者を誹謗中傷する内容を投稿する可能性。 |
5)犯罪自慢 | 自らの犯罪行為をソーシャルメディアに投稿し、勤務先に批判が集中する可能性。 |
それぞれ、実際に起きた問題や実例、事例を交えながら詳しく見ていこう。
1)非公式アカウント
関東地方のある市役所の職員が私的に開設したfacebookページに、市章やホームページの素材を使って日々の情報更新を行っていた。その事実が判明後、市は職員に削除を求めた。職員にはまったく悪意はなく、投稿内容についても問題視されるものではなかったため、大きなトラブルには発展しなかったが、開設から1年以上が経過しており、市の管理体制が問われる結果となった。
2)情報漏えい
茨城県のある病院では、新卒1年目の職員があるスポーツ選手のカルテの存在をツイッターで投稿した。その職員が診療情報管理士の資格保有者であったこともあり、大きな反響を呼んだ。病院側は謝罪文を公開するが、以前に他社が出したものをそのまま流用していたため、さらに批判が集まった。
3)不適切な発言、表現
とあるIT企業の従業員が、就業時間に架空の面接をGoogle+で実況。入社希望者を笑い者にする内容も含まれており、会社やホームページで公開している取引先にまで抗議が殺到した。後に同社は謝罪文とともに事実確認、今後の対応策を公開した。
4)誹謗中傷
音楽関係の会社の従業員が、アイドルやファンを誹謗中傷するような内容をブログやmixiに投稿したことで、会社への批判が殺到。マスコミからの問い合わせに対して、会社側は従業員を社内処分すると返答した。
5)犯罪自慢
飲食店の従業員が女性へ暴行した動画をツイッターに投稿して批判が殺到。会社は謝罪文を公開、本人は解雇され警察へ出頭。
5つの実例を挙げたが、これらは発生している炎上・トラブルの一例に過ぎず、学生なども含めるとほぼ毎日のように何かしらの問題が起きている。 たとえ従業員が利用しているソーシャルメディアが匿名の場合でも、プロフィールや他のソーシャルメディアアカウント、投稿の履歴、交流ある人とのつながりから本名や勤務先が特定されてしまうこともある。
また、それらの情報は、当該ページを削除しても、誰かがキャプチャなどを取っていたりすると、半永久的にインターネット上に残り続けることになり、永続的に企業のブランドを毀損することになりかねない。それでは、これらの炎上・トラブルから自社を守るためにはどうすればよいのだろうか?
【次ページ】炎上・トラブルから自社を守るリスク対策の6ステップ
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