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- 2013/08/23 掲載
なぜ悪ふざけ投稿は起きるのか?従業員によって引き起こされる炎上トラブルとその対策
連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント
他人事ではない炎上リスク
ステーキハウスのアルバイトが冷蔵庫に入った写真を投稿したケースでは、休業だけに留まらず店舗を閉店することが8月12日に発表された。従業員の悪ふざけ投稿による炎上がもたらした結果は、企業にとって数百万円~数千万円の損害につながる可能性が明らかになったわけだ。
このように言われても、「まさか自分の会社の従業員が…」と考えるかもしれないが、それこそ過去に炎上した人と同じで、“自分事”ではなく“他人事”になってしまっている。対策を考える前に、まずは自社もいつ炎上に巻き込まれてもおかしくないという事実を受け入れることから始めなければいけない。
悪ふざけは今に始まったことではない
ソーシャルメディアによる“炎上”はテレビや新聞などでも大きく取り上げられ、今や多くの人に知れ渡ることとなった。冒頭に述べたように、特に最近では従業員の悪ふざけ行為の投稿が炎上につながっており、多くの人にとってこれらの行動は理解し難い行為と感じるかもしれない。しかし、立て続けに起きた事件で急速に問題視されてきているが、従業員の悪ふざけ行為自体は今になって特別に増えた訳ではないだろう。たとえば、飲食店の厨房で働く従業員が、通常では考えられない味付けと盛り付けをしたまかない料理を作ったとする。これらの行為が店舗内や知人など身近な人に知られるだけでは問題視されることはほとんどなかったはずだ。
もちろん会社に知られて内部で罰せられることもあっただろうが、これらの行為がネット上に公開され、公になってしまうと状況はたちまち一変する。多くの閲覧者がその行為を問題視し、掲示板にはスレッドが立てられ、本人を特定するためさまざまな情報が書き込まれる。
そして、その情報はまとめサイトとして簡潔化され、さらにソーシャルメディアを介して広がっていく。
過去に実際に起こった事例では、従業員が牛丼チェーンで大量に盛りつけた牛丼を動画サイトで公開した結果、批判が一気に集まり、最終的に企業が謝罪したことがあった。約5年ほど前の事件であるが、当時のテレビニュースでも報道された。これはあくまで氷山の一角で、実際は昔からこうした事件が数多くあったであろうと推測される。
一方、今やツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアは、人々に欠かせないコミュニケーションツールとなっている。特に10代から20代の世代では、友達とのメール感覚で日々の近況をオープンな場で共有するのが日常である。
しかし、それらの投稿を自分が知らないところで多くの人に見られている可能性があることまで意識している利用者はまだ少ない。つまり、企業としては自社の従業員が、知らないところで意識が低いまま、インターネット上に仲間内に発信するような情報を発信している可能性があると考えられる。このことが、昔からあったであろうと思われる悪ふざけと、結果が異なる最大のポイントと言える。
【次ページ】このような事態を防ぐための対策
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