- 会員限定
- 2014/03/05 掲載
Twitterはなぜ炎上しやすい?Facebookやブログとの比較で見える5つの特性
連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント
Twitterが炎上する要因
昨夏、立て続けに起こったいわゆる一連の“バカッター”事件は、Twitterを発端とするものが多くを占めた。中にはFacebookを発端としたものもあったが、炎上の流れ、火種の投稿→拡散→(本人特定→)まとめサイト→さらに拡散→マスメディアで取り上げられる→社会問題化、という“炎上サイクル”の中で、Facebookは投稿者本人の特定に利用されることが多かったように思う。なぜTwitterが多くの炎上の発端となるのだろうか?その要因を考えてみると、大きくは次の5つがそれぞれ関係していると考えられる。
その要因とは下記の5つだ。
- 匿名性
- 公開範囲の制限
- 伝播性
- 情報感度の高さ
- スマホの普及
これらの要因は他のソーシャルメディアと比較するとわかりやすい。またこれらの特性を理解すれば、炎上防止にも効果的だろう。
匿名性(匿名ゆえの心のゆるみ)
Facebookの場合、実名登録が前提のSNSとなっているため、実名での利用者が多いのは当然のことである。また、Facebookでは、名前の他にも、出身校や勤務先、生年月日、写真など、多くのプロフィールを細かく設定することが可能だ。そのため、Facebookを個人のブランディングツールとして利用している人も多い。
このことから、Facebookでは、自らの犯罪行為や不適切な投稿を堂々と公開したり、人を誹謗中傷する人は少なく、閲覧している側も相手を批判したり、激しく議論するようなことは少ない。
しかし、一方のTwitterやブログでは、匿名で利用する人の割合が多い。特にTwitterの場合は、プロフィールが簡潔に書かれていることが多く、プロフィールの内容だけで本人の素性が見えることはあまりない。
このことから、Twitterでは悪ふざけで、自らの犯罪行為や不適切な投稿をしたり、人に対して激しく批判を書くことの心理的抵抗が少なく、一度ネガティブな方向へ向いてしまうとなかなか修正が効かなくなってしまう。
また、ブログについても、匿名の利用者はプロフィールの登録を簡潔に済ましている場合が多い。古くからブログでも、Twitterの利用者が増える前までは、悪ふざけ行為などの投稿が問題となり、炎上したケースもあったが、現在では何らかの目的を持って情報発信をする人が多くなってきており、より気軽にソーシャルメディアを利用したい人はブログからTwitterへと流れているように見受けられる。
しかし、Twitterを匿名で利用している場合であっても、過去の投稿履歴やフォロワーとの会話など、断片的な情報を組み合わせることで本人がわかってしまうことを忘れてはいけない。プロフィールに実名を登録していなくても、ネット上に匿名は存在しないことを心得てほしい。
公開範囲の制限(匿名という名の非匿名)
2つめの理由は、情報の公開範囲の制限にある。Facebookの場合、元々人とつながるためには友達リクエストを送って、相手の承認が必要であり、今も基本は変わっていない。現在は、一方的に興味ある人をフォローすることにより、その人の投稿を見ることも可能であるが、投稿者本人が、公開範囲を必要に応じて変更することができる。
たとえば、プライベートな投稿であればつながりのある友達の中でも一部の人にだけ制限したり、より多くの人に見てほしい投稿であれば誰でも見れるようにオープンにすることが可能である。また、ブログでもサービスによっては、投稿毎に公開範囲を制限することができる。
しかし、Twitterについては基本的にオープンな仕組みになっており、投稿毎に公開範囲を制限することができない。自分のフォロワーのみに投稿を見せたい場合は、鍵をつけることで全ての投稿を非公開にしなければならない。
Twitterの魅力が誰とでも簡単につながれることでもあり、利用者側もオープンなつながりを望む傾向が強い。
このような理由から、自分の投稿を誰にでも見れる状態にしている利用者も多く、そこで不適切な投稿をしてしまうことで炎上につながっていると言える。
ただし、たとえ公開範囲を制限していても、投稿の内容をキャプチャ(写真)や魚拓などに撮られ、転載されてしまう可能性があることを忘れてはいけない。
つまりネット上に絶対の秘密はないのである。
【次ページ】違いをまとめるとこうなる
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR