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- 2014/09/03 掲載
いいねを欲しがるFacebookアプリは禁止、ポリシー改訂後のコンテンツ戦略を考える
連載:ソーシャルメディアの企業活用リスクマネジメント
「いいね!」と引き換えのコンテンツ提供を禁止
国内でも企業が運営するFacebookページでは、ユーザーに興味を持ってもらうためにFacebookアプリを使ったさまざまなキャンペーンを実施しているが、今回の変更によって、現在、企業が提供しているFacebookアプリは仕様変更しなければならなくなる。
たとえば、Facebookでは、○○検定や××診断といった類のアプリが多数提供されている。これらのFacebookアプリでは、そのアプリを利用する際に、まずFacebookページへのいいね!を要求される。
ユーザーは、Facebookページへのいいね!を押さなければ、そこから先のコンテンツは表示されないため、興味を持ったユーザーは、あまり深く考えることなく、いいね!を押すことになる。同時にユーザーがいいね!を押したことによって、そのユーザーの友達などにも情報が拡散されるため、そのページの認知が拡散することにもつながっていた。
Facebookは、4月にもタイムラインへの表示アルゴリズムを変更したばかりだが、タイムラインへの表示制御が行われたことに続いて、そもそも表示させるためのいいね!も獲得しづらくなるわけだ。こうした仕組みでFacebookページのファンを増やしてきた企業は、改めて別の方法でのファン獲得を模索しなければならない。
これまで多くのキャンペーンで利用されてきた
実際に、国内でいいね!を要求するコンテンツの事例を見てみよう。
サントリーでは、これまでにFacebookを使ったさまざまなキャンペーンを行ってきた。この夏には、東海道新幹線の開業50周年記念として、「東海道新幹線 開業50周年記念 オリジナルデザイン缶プレゼント」キャンペーンを展開。このキャンペーンでは、サントリーにいいね!を押すことで応募が可能になる。
また、サントリーは「みんなのまち」というアプリを提供しており、このアプリを楽しむためにも、いいね!を押すことが必要になっている。
他にも、全日空(ANA)が運営するFacebookページでは、「ANA'sカバー写真」というアプリで、世界各地や空の風景写真をダウンロードできるようにしている。こちらのカバー写真をダウンロードするためには、いいね!を押すことが条件になっている。
このように企業は、Facebookでの新規のファンを増やすための入口を用意して、その後の情報発信(継続的コミュニケーション)につなげることで、新商品のPRやブランドの認知、顧客ロイヤルティ向上につなげてきたのである。
【次ページ】今後、Facebook上でのコンテンツ戦略をどう考えるべきか
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