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- 2023/02/15 掲載
千葉工大 安藤昌也教授が語るUXデザインの具体的手法、期間モデルとモデリング3段層
近年重要視される「UX」「UXデザイン」とは何か?
近年、商品開発の現場でUXデザインが注目を集めている。UXデザインとは、顧客体験をデザインする取り組みや方法論だ。25年にわたってUXデザインの実践・理論・教育に携わってきた、UXデザインの専門家で『UXデザインの教科書』の著者でもある、千葉工業大学先進工学部知能メディア工学科教授の安藤昌也氏は、UXデザインの考え方について次のように説明する。「UX(User Experience)は顧客体験そのものを指し、顧客の主観的な出来事です。UXデザインとは、そうした顧客の主観的な体験を考慮して製品やサービスを作ることを意味します。つまり、UXデザインとは、ユーザーがうれしいと感じる体験になるように、製品やサービスを企画の段階からデザインする取り組み方とその方法論です」(安藤氏)
「炊飯器という商品に大きな違いはありませんが、見え方はまったく違います。これはアピールする要素の優先度が違うからです。バルミューダでは『美味しい食事のある生活価値』を、他社では『炊飯機能』を訴求しています。バルミューダは、『体験こそ商品』という観点からサイトを作っているのです」(安藤氏)
UXデザインの基本「UXの期間モデル」
UXデザインを考えるうえでは、主観的な要素で構成されているUXをパターン化し、モデルを作ることが重要になると安藤氏は説明する。UXの代表的なモデルの1つに「UXの期間モデル」がある。この「UXの期間モデル」の特徴は、ユーザーが商品やサービスを利用する時間軸に対して、「利用前」「利用中」「利用後」「利用時間全体」と分けて考えている点にある。
「UXの期間モデルは、ユーザーの振り返りのタイミングによって、ユーザーの体験の感じ方が変わることを示しています」(安藤氏)
【次ページ】「UXの期間モデル」を詳しく解説、要は何に気を付けるべきなのか
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