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  • 2020/04/02 掲載

BtoBの案件単価はいくらが妥当?デジタルマーケティングで最も重要な3つの「R」とは?

連載:庭山一郎のBtoBマーケティング塾

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昨今の上場企業の中期経営計画には「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が多く盛り込まれている。DXを実現するためには、技術要素であるAI(人工知能)は避けて通れない。しかし、「AIは大事に育てないとグレて不良になる」とシンフォニーマーケティングの代表取締役の庭山一郎氏は指摘する。その理由とは? 庭山氏はAIとマーケティングの関係を説明したうえで、さらにデジタルマーケティングには3つの「R」が重要だと指摘する。
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マーケティングにもAI化の波が押し寄せている
(Photo/Getty Images)

マーケティングでのAI活用、大事に育てないとグレて不良になる?

 昨今の上場企業の中期経営計画には「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が多く盛り込まれています。そのDXを実現する技術要素として、AI(人工知能)が含まれています。

 ただ、AIは、米国の数学者ノーバート・ウィーナー氏が提唱した「サイバネティックス」理論が現実化したものです。

 渡り鳥がどうやって生まれ故郷の湖に帰るかについて「通信と制御」という論文を発表し、世界に衝撃を与えたのは1940年代です。この「通信」と「制御」というのは、言い換えれば「インターネット」と「センサー」に当たります。それを今やっているだけなので、新しくも何ともないことです。

 AI活用で必要なのは、潤沢なきれいなデータを安定供給するということで、それができないと機械学習はできません。そういう根本が理解できてない企業が多く存在します。

 「うちの会社は3年以内にマーケティングもAI化したいので手伝ってください」と依頼されますが、「なぜAI化したいのですか」と尋ねると「オートメーション化したい、機械学習させたい」と言われます。

 そうした場合、「いいですか? AIツールは山ほど市場で売られています。できのいい、悪いはあっても共通しているのは、きれいな情報を安定して大量に食べさせてあげれば、お望み通りに良い子に育ちますということです。汚い情報を不定期に食べさせると、グレて不良になります」と返すことが多いです。

 その上で「今、御社が導入したら間違いなく不良になる、親を殴る子になりますよ。それでもいいんですか?」と尋ねると、「それは困ります」と言われます。AI化の現状は大体そんなものです。まだ日本企業の多くが学習するためのきれいなデータを整備しきれていないのです。



日本企業のマーケティングに足りないのは「ナレッジ」

 たとえば、私たちが一緒に取り組んだマーケティングオートメーション(MA)の中はきれいでも、SFA(営業支援)システムや販売管理システム、CRM(顧客管理システム)などには、訳の分からない汚いデータが山のようにあることが多々あります。それらも含めて統合しなければ、AIは賢くなりようがないのです。

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デジタルマーケティングで不足しているのは「ナレッジ」だ
(Photo/Getty Images)

 マーケティングに関して言うと、足りないのは「ナレッジ」です。ツールを正しく使いこなす力なのです。

 これからもマーケティングのツールベンダーはどんどん出てくるでしょう。サービスとして提供する企業も増えています。国産のベンダーもこれからもっと増えることになるでしょう。

 したがって、後はもう、企業が社内の人間のナレッジを上げるだけなんです。ここを何とかしないといけませんが、実際にはまだ目処が立っていないと感じています。

 この課題を克服できないと、日本企業はグローバルで戦うこともできないでしょう。キーパーソンに情報がきちんと届いていなければ、どんなに良い製品・サービスを作っても売れません。なぜなら、消費者は知らないものは買わないからです。

日本企業が苦手とする企業内外のコラボレーション

 では正しくキーパーソンにアプローチするにはどうすればよいのか。私がよくお勧めするのは、製品・サービスを売り込みたい企業と、そことよく取引をしている企業と一緒にセミナーを開催することです。セミナー費用は全部こちらで持ちますという形で開催するのです。セミナーに来ていただいた方に入口で名刺をいただいて、そこでパーミッションを取れば、自分たちのデータとして使えます。そういうコラボレーションもできます。

 マーケティングをきちんと設計して、この製品はこういう企業のこういう部署のこういう役職のこういう人に情報を伝える必要があるということが明確になれば、集める方法はいくらでもあります。

 集めたデータをアクセス履歴や行動解析することによりその人の興味の範囲を探り、セールスとマーケター、研究開発の3部門で共有しますが、これができていない日本企業がまだまだ多いのです。

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