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全世界で10億人が利用し、アクティブユーザーが右肩上がりに伸びているSNS「Instagram」。マーケティングにおけるInstagramの重要性が増す一方で、本来の目的を見失い、フォロワー数を増やすことだけを目標にしてしまう例も散見されるようになりました。企業のSNSマーケティング支援を行う筆者が見出した、Instagramを活用したマーケティングの成功法則から、“結果につながる”活用方法を伝授します。
ホットリンク 朝山 高至
ホットリンク マーケティング部リーダー 兼 ホットリンク総研研究員。
慶應義塾大学総合政策学部卒。
人材系企業で基幹事業のデジタルマーケティング全般を担当し、2019年にSNSマーケティング支援・グローバルでのソーシャル・ビッグデータの流通と分析を行うホットリンクに入社。
企業のInstagramマーケティング支援や、ソーシャルメディアマーケティングの研究機関「ホットリンク総研」の研究員としてInstagramマーケティングのメソッド開発に従事。
Instagram世代の購買行動プロセス「UDSSAS(ウドサス)」を提唱。
何のためのInstagram発信?
はじめに、Instagramで発信することでどんな効果を期待しているのかを明らかにしておきましょう。多くの場合は「ブランドの魅力を知ってもらい売り上げを増やす」ことが最終目標となるかと思いますが、たとえば「既存顧客1人あたりの購入数を増やす」と「これまでとは異なる層の顧客を取り込む」のでは発信する内容や適したアプローチが変わってきます。
最初に大きなゴールを設定し、そこから逆算してマイルストーンを置いていくと考えやすいです。最終目標として「売上を増やす」を掲げたら、それを達成するためには「ブランドの認知度向上」が必要、そのためにはInstagram上でのブランドへの言及数を増加させることが必要、そのためには「フォロワー数増加」が必要、そのためには投稿のリーチを増やす……とブレイクダウンしていきます。
「売上を伸ばす」などの大きな目標だけではゴールが遠すぎてどのくらいの期間で何をすれば良いかが見えてこないため、具体的な行動や数字がイメージできるまで細かく落とし込んでいきましょう。
最終目標から手近な目標まで出揃ったら、今度は「3カ月でフォロワーを50人増やす」「週3回、月12回以上は投稿する」など、できるかぎり具体的な数値目標を設定しましょう。
具体的な目標が決まっていると、あとどのくらい行動すれば達成できるか、運用の方向性が合っているのかをチェックしやすくなります。
投稿内容は「フォロワーに提供する価値」から考える
「フォロワーに提供する価値が何か」という観点も投稿を作成するヒントになります。「アカウントを通してどのような価値をフォロワーに提供するのか」を明確にし、その価値を提供できるコンテンツを一貫して発信することを心がけましょう。
たとえば、既存顧客にとっては、下記などが大きな価値になります。
- 新商品や期間限定商品の情報がいち早く手に入る
- 商品がカテゴリや目的別に整理されていて、自分にぴったりの商品を見つけることができる
- オンラインクーポンをもらえる
商品のカテゴリが複数ある場合は「まとめ機能」を使ってプロフィールにまとめを作成し、ユーザーが商品を見つけやすくするのもおすすめです。
まとめ機能は2020年に追加された新機能で、「場所」「商品」「投稿」の3軸でまとめることが可能です。ブランド別、エリア別、利用シチュエーション別、ユーザーの悩み別などの切り口で情報を整理しておくことで、プロフィールを訪れたユーザーがすぐに求める情報にアクセスできるようにしておきましょう。作成したまとめはストーリーズにシェアすることもできます。
また、既存顧客だけでなくまだブランドを知らない潜在顧客層に向けて発信する場合は、「トレンドのコーディネートがわかる」「美味しくて簡単なレシピを知ることができる」などの商品やブランドと関連したジャンルのお役立ち情報を得られることも価値となりえます。
こちらが発信したい情報を一方的に伝えるのではなく、「この情報は誰にとってどんな価値があるか」を考えながらコンテンツを作成することで、おのずとフォローして継続的に閲覧する価値のあるアカウントに仕上げることができます。
【次ページ】アカウントの育て方:結局、何時に投稿すればいい?
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