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  • 2012/11/08 掲載

HEMS・スマートハウスビジネスの最新動向、IT連携で期待されるECHONET Liteも拡大

経産省 佐脇紀代志氏、神奈川工科大学 一色正男教授ら登壇

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近年、省エネを実現する家屋として「スマートハウス」や、地域全体で省エネに取り組む「スマートコミュニティ」に注目が集まっている。家庭内エネルギー管理システム(以下、HEMS:Home Energy Management System)を機軸とし、効率的なエネルギーの活用や省エネ化を図れるスマートハウスの具体的な動きもこの1年間で急激に活発になった。CEATEC JAPAN 2012で開催されたパネルディスカッションでは、スマートハウスやスマートコミュニティのビジネスの中で、ITが果たす役割や重要性について、経産省の佐脇 紀代志氏、神奈川工科大学の一色 正男教授ら有識者のほか、パナソニック、東芝などの担当者らが最新動向を語った。
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写真左から、司会を務めた慶應義塾大学大学院の梅嶋真樹氏(政策 メディア研究科 特任講師 スマートハウス ビル標準 事業促進検討会 副座長)、経済産業省の佐脇紀代志氏(商務情報政策局 情報経済課長)、神奈川工科大学の一色正男氏(創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科 教授 スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会拡大HEMS TF 座長)、パナソニックの児玉久氏(本社R&D部門上席理事 兼 本社エナジーソリューション事業推進本部 副本部長)、東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングスの辰巳光好氏(常務取締役 統括技師長)、エコーネットコンソーシアム 理事長の種谷元隆氏(シャープ執行役員 研究開発本部長)(10月3日にCEATEC JAPAN 2012で開催された「ITを活用したスマートコミュニティについて」より)

ビジネス参入が加速、ECHONET Lite認証試験支援センターが始動

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 スマートコミュニティの取り組みは、これまでも官民が連携しながら続けられてきた。官の立場で政策やプロジェクトを主導してきた経済産業省の佐脇紀代志氏は「ITは情報をリアルタイムで共有し、無駄を省くインフラの道具となるもの。その道具がまさにエネルギー分野で利用できる」とし、ITを活用したスマートハウスやスマートコミュニティの重要性を強調した。

 いまエネルギー分野では、電力会社が電力を供給するための「電力システム」、利用者がどのように電力を利用しているのかを知る「スマートメーター」、そしてビルのエネルギー管理を行うBEMS、家のエネルギー管理を行うHEMS、工場のエネルギー管理を行うFEMS、そしてこれらを含めた地域全体のエネルギー管理を行うCEMSなど、それぞれのポイントでエネルギーを効率的に管理する「EMS」(Energy Management System)が注目されている。これらを連携・調整できるプレイヤーを社会に生み出すことが経産省の大きな目的だと佐脇氏は語る。

 実際、同省では平成23年度にエネルギー管理システム導入促進事業として300億円の予算を確保し、BEMS導入企業の一括管理を行う節電事業者「BEMSアグリゲータ」の育成や、電力の見える化・家電機器の制御などにより家庭内の節電を推進するHEMSについて支援してきた。佐脇氏は今後、「どうやってボリューム感のある市場、稼げるビジネスにするか。世界に向けて挑戦できる武器にしていくか(が課題)」と政府の認識を示した。

 スマートハウスやスマートコミュニティというと、以前は「省エネ」を中心に語られることが多かったが、いまは省エネに加えて、太陽光発電でつくる“創エネ”や、EVの蓄電池に蓄える“蓄エネ”なども視野に入る。

 当然この中にも情報活用やコンピュータ的な処理が求められており、HEMSを推進していくためには、さまざまなメーカーの家電を共通でつなげて制御する標準インターフェースが重要になる。その通信規格の1つとして策定されているのが、日本発の「ECHONET Lite」である。

 そしてHEMSを流通させるには、どのIT機器が標準規格に対応しているのか判断できる機関も必要だ。そこで、スマートハウスで用いられるIT機器同士を接続すべく、認証センターの立ち上げに尽力している人物がいる。神奈川工科大学の一色正男教授だ。

「我々の課題は“公知な標準化インターフェース”を活用した環境整備だ。世界標準に向け、ガイドラインの策定や工事の方法の整備を、フリーな大学の立場から経済産業省の支援をいただきながら進めている。」(一色氏)

 具体的な活動には、前述のECHONET Lite相互接続環境の整備が挙げられる。来年3月の本格運用に向け、すでに神奈川工科大学内にECHONET Lite認証試験支援センターがつくられており、試験室や設備関連のβ版テストも11月下旬からスタートする。

 各メーカーが機器を持ち込み、テストや自己認証が行える機関だ。また新規参入事業者向けのHEMS開発支援キットの開発や、安全性を考慮したHEMS・接続機器の運用ルールづくりなども国際展開を視野に進めていくという。

【次ページ】HEMS4000軒、BEMS160万平米、EV2000台でCO2を30%削減
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