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- 2018/03/05 掲載
「次のシリコンバレー」はここだ! ビル・ゲイツも巨額投資するスマートシティ計画
1か月の家賃が32万円に高騰
シリコンバレーはIT産業の代名詞、と言っても過言ではないだろう。ハイテク産業が集う場所には「シリコンバレー・サウス」「シリコンバレー・ノースイースト」などの名称が付く。代表的なものがロサンゼルスの西、デジタル映像コンテンツの新興企業が次々に現れて有名になったベニスビーチからサンタモニカにかけてのエリアで「シリコンビーチ」と呼ばれる。
さらにそこから南、ロサンゼルス空港の横に広がっていた広大な湿地帯は、今やヤフー、マイクロソフト、グーグルなどのオフィスが立ち並び「シリコンバレー・サウス」と呼ばれるようになった。
なぜIT企業がシリコンバレーの外にオフィススペースを求めるようになったのか。大きな理由に挙げられるのがサンフランシスコ近郊の土地の値上がりだ。
現在、サンフランシスコ近辺ではごく普通の一軒家の価格が80万ドル(約8,500万円)を超えており、2LDK程度のアパートの1か月の家賃も3,000ドル(約32万円)を超える。このためホームレスが急増し、州が緊急事態宣言を出す事態にも陥っている。
槍玉に挙げられるのがシリコンバレーの存在だ。高給の若い労働者が増えることにより家賃の高騰に繋がった。シリコンバレーの労働者にはグーグルバスなどの無料の交通手段も手配されているため、彼らの居住地が古くからそこに住む人々を圧迫している、という。グーグルバスに対して人々が反対デモを起こしたのも記憶に新しい。
現在最もホットな市場はアリゾナ州フェニックス
しかし、土地価格の上昇は企業自体をも圧迫する。新しい研究開発センターなどには広大な敷地が必要だが、シリコンバレー付近で企業が求めるサイズの土地を求めることは困難になりつつある。ロサンゼルス空港付近に目がつけられたのも、湿地帯ゆえにこれまで開発の手が進まず広大な土地が残されていたこと、空港至近でビジネスに便利なことなどが挙げられる。
ところがIT企業の進出に伴い、ロサンゼルスの土地の価格も上昇し始めた。そこで現在最もホットな市場となっているのがアリゾナ州なのだ。中でも注目はフェニックス。巨大な空港があり、ロサンゼルスからでも陸路で8時間程度。また市内には公共鉄道網があり、暮し、物流の両面で便利だ。
フェニックスの市長、グレッグ・スタンソン氏によると2012年から17年までの5年間で同市で新たに起業、もしくは移転してきたIT関連企業の数は4倍に増えたという。2017年春の時点でフェニックス市内のIT企業の数は260社となった。こうした傾向を受け、フェニックス周辺を「シリコン・デザート」と呼ぶのが一般的になりつつある。
フェニックスに本拠を置く「グレーター・フェニックス・エコノミック・カウンシル」の2015年調査によると、現在のIT関連従事者は7万人、2019年にはこの数はさらに14%増加するという。これは同じく新たなITハブとして注目を集めるコロラド州デンバーやテキサス州オースティンを上回るペースだ。
まだまだ実数ではシリコンバレーの本拠地であるサンノゼやデンバー、オースティンには及ばないものの、いずれこうした都市と並ぶ規模に成長する可能性がある。
【次ページ】フェニックスの成長を支えるのは「製造業」
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