Windows 10の各バージョン(メジャービルド)に対して、セキュリティ修正およびバグ修正を含む品質更新プログラム(マイナービルドの更新)は、「累積更新プログラム(Cumulative Update)」と呼ばれます。過去にリリースされた更新プログラムの内容に、新しいセキュリティ修正やセキュリティ以外の修正を追加して、最新の累積更新プログラム(Latest Cumulative Update、LCU)が作成、提供されます。これが、毎月第2火曜日(日本では時差の関係で翌水曜日)にリリースされる累積更新プログラムです。
たとえば、Windows Server 2016向けの2019年4月の累積更新プログラムはフルパッケージ「2019-04 x64ベースシステム用Windows Server 2016の累積更新プログラム(KB4493470)」のサイズが1374.5MBなのに対して、差分パッケージの「2019-04 x64ベースシステム用Windows Server 2016の差分更新プログラム(KB4493470)」サイズは389.2MBしかありません。
Windows Updateに任せた更新は、しばしばトラブルを引き起こし、運が悪ければ破壊的な問題(起動できなくなる、データ損失など)を引き起こすこともあります。意図せず、オプションの更新プログラムや機能更新プログラムがインストールされてしまい、ロールバックするのに多くの時間がかかったりもします。
たとえば、5月の定例更新では、Windows 10バージョン1809およびWindows Server 2019において、特定の状況下で(それもかなりの再現性で)同じ累積更新プログラム「KB4494441」が2回インストールされないと、正常にマイナービルドの更新が完了しないという問題がありました。更新のためのダウンロードと再起動が二度必要になるため、更新全体の時間もいつもの二倍必要になります。
特に、Windows 10バージョン1607と同一ビルドのWindows Server 2016はパッケージサイズが大きく、Windows Updateによる更新は異様に時間がかかるなどトラブルが多かったため、Windows Server 2016の運用担当者には、差分パッケージの提供はありがたいことだったと思います。