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本連載で昨年初め、当時登場したばかりの「
Azure Arc 」とはどのようなサービスなのか、最初にGA(一般提供開始)となった「Azure Arc対応サーバー」を例に紹介し、無料のオンライントレーニングプラットフォームである「Microsoft Learn」による学習をお勧めしました。今回は、評価/デモ環境を短時間で構築できる「Azure Arc Jumpstart」について紹介します。
3つの利用環境を短時間で構築できる
マイクロソフトの製品やサービスの最新情報は、いつの頃からかその製品やサービスの担当チームの公式ブログで発表されることが多くなりました。しかし、企業向け主力サーバー製品の一つであるはずのWindows Serverチームの公式ブログには、ここ数年、Windows Server 2022のリリースの発表以外に特筆するべきニュースは掲載されていません。
一方で、最近筆者が注目しているのは、Azure Arcチームのブログです。更新頻度が高い上、Azure Arcを推し進める興味深い施策が次々に発表されています。その一つが、Azure Arcを始めるガイドである「Azure Arc Jumpstart」で今年になって次々にGAとなった「Jumpstart ArcBox」です。
Azure Arc Jumpstartは、Azure Arcですぐに作業を開始できるように、知識ゼロの状態からその道のプロになる体験を提供するために、Azure Arcプラットフォームで作業を開始しながら、詳細なスクリーンショットやコードサンプルを提供するプロジェクトとして2021年初めにスタートしました。
Jumpstart ArcBoxはこのプロジェクトの成果物の一つとして今年初めに発表されたものです。
Azure Arcの評価やデモのためのサンドボックス化(Azure仮想マシンのゲストOSのHyper-Vで入れ子構造の仮想化機能を利用)された以下の3つのいずれかの利用環境(Flavor)を、自動化された手順で短時間で構築できます。
ArcBox Full
Azure Arc対応サーバー、Azure Arc対応Kubernetes、Azure Arc対応データサービスを備えたJumpstart ArcBoxのフル環境。
ArcBox for IT Pros
Azure Arc対応サーバー、Azure Arc対応SQL Server、Azure Monitor、Microsoft Defender for Cloud、Azure Policy、Azure Update Managementの機能を用いて管理されたWindowsおよびLinux仮想マシンからなるサンドボックス環境。
ArcBox for DevOps
Azure Arc対応Kuberenetesのサンドボックス環境で、GitOps、Open Service Mesh(OSM)、Azure Key Vault、Azure Monitor、Microsoft Defender for Cloudなどの開発に必須の機能を含みます。
Jumpstart ArcBoxは、すべてマイクロソフト提供のサービスで構築される環境であるため、有効なAzureサブスクリプションがあればAzureポータル(Deploy to Azure)またはAzure CLIを使用して簡単かつ短時間でデプロイすることができます。
現在、東日本を含む12のリージョンでデプロイすることができ、デプロイ完了後、サンドボックス環境(「ArcBox-Client」仮想マシン)にリモートデスクトップ接続することで、初回ログオン時に実行されるスクリプト(Flavorによっては一部手動操作が必要なものもあります)によって最終的なセットアップが行われます(
画面1 、
画面2 )。
【次ページ】1時間以内にセットアップ完了
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