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- 2019/12/16 掲載
Windows 10の新しい配布方式「イネーブルメントパッケージ」、実は“お試し”?
連載:山市良のマイクロソフトEYE
環境によって変わる「機能更新プログラム」の提供方法
現在、Windows 10 October 2019 Update(バージョン1809、ビルド17763)以降を実行しているPCには、利用可能な自動配布対象のすべての更新プログラムがインストール済みになっている場合、「設定」アプリの「Windows Update」に「Windows 10、バージョン1909の機能更新プログラム」の案内が表示されるはずです(画面1)。提供をブロックする措置が採られているハードウェアや、アプリケーションの互換性問題の影響を受ける場合は、この案内は表示されないかもしれません。また、12月5日(米国時間)からは、Windows 10バージョン1809のHome、およびProエディションに対する自動配布が段階的に始まったことがアナウンスされました。
Current status as of December 5, 2019:
Windows 10, version 1909 is available for any user on a recent version of Windows 10 who manually selects “Check for updates” via Windows Update. The recommended servicing status is Semi-Annual Channel.
Beginning today, we will slowly start the phased process to automatically initiate a feature update for devices running the October 2018 Update (Windows 10, version 1809) Home and Pro editions, keeping those devices supported and receiving the monthly updates that are critical to device security and ecosystem health. We are starting this rollout process several months in advance of the end of service date to provide adequate time for a smooth update process.
リリース直後の現時点では「今すぐダウンロードしてインストールする」をクリックしない限り、機能更新プログラムのダウンロードやインストールが開始されることはありませんでした。しかし、古いバージョンに対しては自動配布が段階的に始まったので、配布対象に選択された場合、今後のWindows Updateの実行時にインストールが始まる可能性があります。
「今すぐダウンロードしてインストールする」をクリックした場合、あるいは自動配布の対象となった場合、現在利用している環境によって異なる配布方法で、Windows 10バージョン1909にアップデートされます。
新しい配布方式「イネーブルメントパッケージ」とは
そのうちの1つは、今回が初めての試みである、以下の「イネーブルメントパッケージ」を使用した機能更新プログラムによるアップデートです。その条件は以下のサポート情報に記されています。Windows 10バージョン1909イネーブルメントパッケージを介した機能更新プログラム
簡単に言ってしまえば、Windows 10 May 2019 Update(バージョン1903、ビルド18362)で2019年10月第2火曜日(米国時間)までのすべての更新プログラムがインストール済みであれば、イネーブルメントパッケージが使用され、最小限のダウンロード(20KB以下)と短時間のインストールと再起動でWindows 10バージョン1909にアップデートされます(画面2)。
Windows 10バージョン1909のコア部分はバージョン1809と共通です。Windows 10バージョン1909の新機能は、“無効化された状態で”Windows 10バージョン1903に対する2019年10月の累積更新プログラム(ビルド18362.418)までに提供済みであり、イネーブルメントパッケージはバージョン情報を切り替え、新機能を“有効化しているだけ”と言えます。
Windows 10バージョン1903とバージョン1909の今後の累積更新プログラムは共通のものであり、イネーブルメントパッケージをアンインストールすると、累積更新のレベル(18362.xと18362.xのリビジョン番号.xの部分)を維持したまま旧バージョンに戻すことができます。少なくとも現時点では可能ですが、今後さらに累積更新プログラムのインストールが続いても旧バージョンに戻すことができるかどうかは分かりません。
イネーブルメントパッケージの条件を満たさないPCに対しては、従来と同じ方法で、数GBのダウンロードとアップグレードインストールが行われます。
「Windows 10のダウンロード」サイトからの「今すぐアップデート」は従来方式
Windows 10 HomeやProエディションを使用中の場合、Windows Updateに機能更新プログラムの案内が表示されるかされないかに関係なく、いつでも以下の「Windows 10のダウンロード」サイトから最新バージョンへのアップデートを開始できます。空き領域の問題や互換性問題があれば「更新アシスタント」がブロックしてくれるはずですが、Windows Updateに機能更新プログラムの案内が表示されないPCの場合は失敗する可能性があることに注意しましょう。
Windows 10のダウンロード
今回はもう1つ注意点があります。先ほどのイネーブルメントパッケージは、Windows UpdateとWindows Server Update Services(WSUS)でのみ利用可能な方式である、ということです。
WSUSでは、「Windows 10 Version 1909 x64(またはx86)ベースシステム2019-11の機能更新プログラム(有効化パッケージを使用)」という名前のわずか20521バイトの更新プログラムとして提供されています。この更新プログラムを配布するか、従来と同じタイプの機能更新プログラムのどちらを配布するかは、WSUSの管理者が判断して選択できます。
イネーブルメントパッケージは、Microsoft Updateカタログでダウンロード提供されることはありません。そして、Windows 10のダウンロードサイトからのアップデートにも使用されることはありません。Windows 10のダウンロードサイトから「今すぐアップデート」をクリックした場合、従来と同様に、数GBのESD形式のWindowsイメージ(x86で約2.5GB、x64で約3.5GB)のダウンロードが始まり、その後、アップグレードインストールが行われます。
【次ページ】イネーブルメントパッケージ方式は今回限り?
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