- 会員限定
- 2024/02/19 掲載
次期「Windows Server 2025」の新機能を解説、AD “史上最大”の変化とは?
山市良のマイクロソフトEYE
「Windows Server 2025」はいつリリース?
マイクロソフトは2023年11月に開催した年次イベント「Microsoft Ignite 2023」では、AIを中心とした多くの発表がありましたが、「Windows Server vNextの新機能」というタイトルでWindows Server LTSC(長期サービス チャネル)の次期バージョンに搭載される予定の一連の新機能が明らかになりました。このセッションの録画は、以下のサイトで視聴することができます。https://ignite.microsoft.com/en-US/sessions/f3901190-1154-45e3-9726-d2498c26c2c9?source=sessions
Windows Server LTSCは2、3年ごとのリリースであるため、「Windows Server 2019」(2018年9月リリース)、現行バージョンの「Windows Server 2022」(2021年9月リリース)に続く次のバージョンは、「Windows Server 2025」になると発表されました。
製品名発表と同時にリリースされたInsider Previewビルド「26040」からこの製品名がwinverコマンドやGet-ComputerNameのOsName、WindowsProductNameなどに反映されています。また、これまでのリリースから考えると、2024年後半には正式リリースとなる見込みです。発表時に使用されていたのは「Windows Server vNext」でしたが、ここでは新たに決まった正式名称「Windows Server 2025」と表現することにします。
Ignite 2023のセッションで明らかにされた主な新機能を紹介します。
Azure Editionだけの機能を解放
マイクロソフトは現在、AzureおよびAzure Stack HCI上の仮想マシン(VM)で稼働する「Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition」向けに「ホットパッチ(Hotpatch)」機能を提供しています。Widows Server 2025ではこの機能が、オンプレミスの物理サーバ、Hyper-VやVMware上のVM、他社クラウドのVMでも利用可能になります。ホットパッチは再起動を必要としない更新プログラムで、3か月ごとにリリースされる再起動が必要なベースラインの更新プログラムとの組み合わせで、最大3か月間、脆弱性を放置せずに無停止で長期運用することができます。
ホットパッチはメモリ内のコードに対してパッチを適用するため(再起動を挟んでもパッチは有効)、非常に短時間でインストールが完了するという利点もあります(画面1、画面2)。
なお、Azure Editionではホットパッチ機能は追加コストなしで利用できますが、物理/仮想、およびAure以外のクラウドでは、Arc-enabled Windows Serverを通じて月額サブスクリプションとして提供される予定です。
Azure Editionでは、インターネット上で「TLS 1.3」トンネルを使用した安全なSMB接続を可能にする「SMB over QUIC」もサポートされています。Windows Server 2025では、オンプレミスやAzure以外のクラウドでもSMB over QUICを利用可能になる予定です。
現状、Windows Admin Centerの最新のプレビューであるバージョン2311では、Azure EditionのSMB over QUICの構成にしか対応していませんが(画面3)、Windows Server 2025の最新プレビュービルド(25997以降)では、「New-SmbServerCertificateMapping」コマンドレットを使用してSMB over QUICを構成することができます。評価する場合は、以下を参照してください。
https://aka.ms/SMBoverQUICServer.
関連コンテンツ
PR
PR
PR