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- 2023/03/24 掲載
AKSハイブリッドのセットアップは「すんなり」? 試して分かった成果と課題とは
山市良のマイクロソフトEYE
AKS on Azure Stack HCIのセットアップに挑戦
前々回は「Azure Arc Jumpbox」の「HCIBox」について取り上げ、AKS on Azure Stack HCI(AKSハイブリッドとも呼ばれます)を含むAzure Stack HCIクラスターをAzure仮想マシン(VM)で評価できることを紹介しましたが、Azure VMの高コストのシリーズ/サイズを利用することになるため、じっくり評価するには課金に注意が必要と指摘しました。AKSハイブリッドを評価するには、少なくともAzure Stack HCIクラスターは以下のハードウェア要件が必要だからです。- コア数:32/サーバー
- 物理メモリ:256GB/クラスター
- クラスター共有ボリュームの空き領域:1TB/クラスター
最近、ある仕事の関係でとあるベンダーのAzure Stack HCI統合システム(4ノード)を1カ月ほど利用できる機会を得ました。その際、AKSハイブリッドをじっくりと評価することができました。とはいっても、AKSのノードIPプールや仮想IPプールに自由に利用できるIPアドレスを得るのが難しそうだったため、物理のAzure Stack HCIクラスターそのものにセットアップするのではなく、その中にNATスイッチとHyper-V VMを作成し、2ノードクラスターの評価環境を用意して評価しました。
利用した物理の統合システムは、1ノード(サーバー)が24コア、182GBの構成で、CSVの容量も10TBほど利用可能であるため、1ノードだけで十分なスペックの評価環境を構築できます。
AKSサービス(管理クラスター)のセットアップは、Windows Admin Center(WAC)のウィザードを使用する方法と、PowerShellのコマンドラインを使用する方法がありますが、ウィザードの方法で簡単にAzure Stack HCIクラスター上にセットアップすることができました(画面1)。セットアップ完了後、AzureポータルにはAzure Arc対応Kubernetesクラスターとして登録されます。
ワークロードクラスターを作成してアプリをデプロイする
Azure Arc対応Kubernetesクラスターには、WACのウィザードやAksHciモジュールのPowerShellコマンドレットを使用して、LinuxまたはWindowsベースのワークロードを作成することができます。AzureのAKS(マネージドAKS)との違いは、New-AzAksClusterの代わりに、New-AksHciClusterコマンドレットを使用することです。Linuxワークロードクラスターを作成し、以下のマネージドAKS向けのチュートリアルの「アプリケーションの配置」のところを実行すると、ローカルのPowerShellコンソールからkubectlコマンドを使用して簡単にAzure Voteサンプルアプリをデプロイし、動作することを確認できました(画面2)。
Kubernetesクラスターに接続するための資格情報の取得は、マネージドAKSの場合はImport-AzAksCredentialコマンドレットを使用しますが、AKSハイブリッドの場合はGet-AksHciCredentialコマンドレットを使用するか、WACのポータルからダウンロードします。
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