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  • 2018/06/18 掲載

「Windows 10は半永久的に最新版が使える」の罠 プロセッサによっては“対象外”に

連載:山市良のマイクロソフトEYE

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Windows 10は“Windowsの最後のバージョン”とも呼ばれていますが、実際には“サービスとしてのWindows”に基づいて継続的に新バージョンが提供されます。言い換えるなら、ハードウェアが故障して動かなくなるまで、半永久的にバージョンアップできるということですが、実際には例外があります。その例外の1つが、Windowsのプロセッサ要件の変更、そしてWindowsに搭載される機能の追加や削除です。
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Windows 10はいつまでもバージョンアップできるという考えには、落とし穴がある
(©vectorplus - Fotolia)

すでに起こった一部プロセッサへの機能更新の停止

 2017年4月にWindows 10 Creators Update(バージョン1703、ビルド15063.x)が正式リリースとなった際、一部のプロセッサを搭載したPCが「サポート対象外」として更新できず、その後、問題のPCに対してこの新しい機能更新プログラム(および以降の機能更新プログラム)を提供しないことをマイクロソフトが明らかにしました。この話題はまだ記憶に新しいことだと思います。

 具体的には、「Clover Trail」という開発コード名で知られる、モバイル向けの旧型のインテルAtomプロセッサ(Z2760、Z2580、Z2560、Z2520)を搭載したPCが影響を受けました。対象のプロセッサは、インテルによるハードウェアサポートが既に停止したものです。

 当時、マイクロソフトは影響を受けるPCに対して、Windows 10バージョン1607に対する品質更新プログラム(セキュリティ問題や不具合の修正)をWindows 8.1のサポート期限と同じ2023年1月まで提供するという報道がありました。しかし、公式のアナウンスや公式ドキュメントでそのような特例措置について説明しているものはなかなか見つからないと思います。

 たとえば、Windows 10バージョン1607は2018年4月をもってサポートが終了しましたが、それをアナウンスするサポート情報、および詳細を説明したWindowsライフサイクルのファクトシートを見る限り、最新のドライバーが提供されない、あるいはOEMサポート期間外の場合は、“デバイスで更新プログラムを受け取ることができない可能性があります”とだけ記されています。

Windows 10バージョン1607半期チャネルのサポート終了(2018年2月1日)
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4076503/

Windowsライフサイクルのファクトシート
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/13853/

 Clover Tail搭載PCに対する特例措置については、以下のMicrosoft Community Blogで説明されています。このドキュメントは、2018年4月以降のWindows 10バージョン1607向けの品質更新プログラムのサポート情報(たとえば、KB4103723)にリンクされているものなので、これが公式のアナウンスであると考えてよいようです。

Text may not appear in the Windows interface on some devices after installing the Windows 10 Creators Update
https://answers.microsoft.com/en-us/windows/forum/windows_10-windows_install/intel-clover-trail-processors-are-not-supported-on/ed1823d3-c82c-4d7f-ba9d-43ecbcf526e9?auth=1

半永久的に更新できるとは限らない

 Windows 7やWindows 8.1から無料アップグレードでWindows 10にしたとき、あるいはソフトウェアアシュアランス(SA)契約が有効なボリュームライセンス製品を利用している限り、PCが故障して完全に機能しなくなるまで、追加コストなしで(無料アップグレードの場合)、半永久的にWindows 10の最新バージョンを使い続けることができると思った人は多いと思います。しかし、Clover Tail搭載PCのように何かしらの特例措置がとられるかどうかは別として、Windows 10の初期リリースにはなかったハードウェア要件の変更で、更新できなくなる可能性があることを認識しておくことは重要です。

 このような、製品出荷時に存在しなかった新たな要件(特にプロセッサ要件)によるサポートポリシーの変更は、2016年初めにインテル第6世代Coreプロセッサ(開発コード名“Skylake”)の扱いに対して行われたのが1つのきっかけです。当時、新たに登場する最新プロセッサはWindows 10でのみサポートされ、対象プロセッサを搭載するWindows7およびWindows 8.1のPCには、移行期間のみ更新プログラムのサポートが提供されると発表されました。つまり、製品のライフサイクル終了前に更新できなくなるということでした。

 インテル第6世代Coreプロセッサに対するサポートポリシーの変更は、その後、撤回されましたが、現在、インテル第7世代Coreプロセッサ以降については、Windows 10でのみサポートされ(Windows 10のバージョン要件あり)、Windows 7およびWindows 8.1ではサポートされないことが明確化されています。AMDプロセッサについても、同じような要件が明確化されています。また、Windows Server 2012 R2/2016についても、プロセッサ要件が明確化されています。旧型Atomのサポートを含め、最新のプロセッサ要件については、以下の公式ドキュメントで説明されています(画面1、画面2)。今後も、Windows 10の新バージョンや新しい世代のプロセッサが登場すると、変更されることになるはずです。

Windows Processor Requirements
https://docs.microsoft.com/en-us/windows-hardware/design/minimum/windows-processor-requirements
画像
画面1■Windows 7/8.1/10のプロセッサ要件(1/2)
画像
画面2■Windows 7/8.1/10のプロセッサ要件(2/2)

【次ページ】 実は機能もどんどん削除される? 更新対象外や機能削除にどう対処すればよいのか
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