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  • 2019/01/25 掲載

2019年のWindowsはどうなる? 改元など周辺をざわつかせる重大イベント満載

連載:山市良のマイクロソフトEYE 第11回

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2019年はWindowsにとってどんな年になるでしょうか。昨年はWindows Updateに起因するトラブルが目立った年でした。2019年はあと数カ月でWindowsにとって初めてとなる、新元号への切り替えが控えています。他にも、あの製品のサポート終了までのカウントダウンも始まります。
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2019年は、Windowsにとって初となる「新元号への切り替え」など、重大なイベントが満載だ
(©momius - Fotolia)

新元号への対応をスムーズに乗り切れるか

 2019年5月1日、新元号の元年がスタートします。マイクロソフトは改元が明らかになって以降、Windowsおよびその他のマイクロソフト製品、サービスに関する新元号への対応を進め、公式ブログやサポート情報などで情報提供を行ってきました。

Japan New Era Name Support Blog
https://blogs.technet.microsoft.com/jperablog/
2019年5月の新元号への変更に関する更新(KB4470918)
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4470918/

 Windows 10 April 2018 Update(バージョン1803)は、主にアプリケーション開発者への支援を目的として、新元号の仮定義(レジストリ値)を含む形で出荷されました(画面1)。

 Windowsやアプリケーションの使用にどんな影響があるかどうかわからないものを、既定で組み込んだ状態で出荷することは、利用者の大部分を無視した行為だと思いましたが、この仮定義は2018年9月の品質更新プログラム(KB4458469、ビルド17134.319または320)以降で削除されました。

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画面1:2018年9月まで(ビルド17134.286まで)Windows 10バージョン1803のレジストリに存在した新元号をテストするための仮定義。9月末の更新プログラムで削除されたが、Windowsが適切に更新され続けることが今後も重要

 Windowsやマイクロソフト製品のアプリケーションの新元号対応は、基本的に更新プログラムを通じて行われることになります。すでに新元号対応に関連する更新プログラムが提供されているものもありますが、最終的な対応は4月1日の新元号発表以降の更新プログラムとして提供されることになります。

 Windowsやアプリケーションが適切に更新され、最新状態になっていないと、新元号に対応できずにトラブルになる可能性があります。実際、このWindows 10バージョン1803に出荷時に組み込まれた仮定義は、e-Taxに影響していたことが明らかになっています。

【重要】Windows10のパソコンで、e-Taxソフトをご利用の際に「暦上存在しない年月日が入力されています。再度入力してください。」と表示された方へ (平成30年9月26日)
http://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_300906_10.htm

 また、2018年11月にOffice 2010(MSI版)向けに提供された新元号関連の更新プログラムが、一部の環境でアプリケーションをクラッシュさせる問題が発覚し、更新プログラムは取り下げられました。

 噂に聞くところによると、一部の環境とはサポートが終了したはずのWindows XP(次のトピックを参照)環境だったようですが、実際のところはわかりません。なお、Windowsに対する新元号対応はWindows 7 SP1以降に対して提供される予定であり、Windowss XPは対象外です。

November 6, 2018, update for Office 2010 (KB4461522)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4461522/
November 6, 2018, update for Office 2010 (KB2863821)
https://support.microsoft.com/en-us/help/2863821/

 2018年12月初めに新元号対応のためのOffice 2010向け更新プログラムが提供されましたが、この更新プログラムが上記の問題の2つの更新プログラムを置き換えるものなのかどうかの説明はありません。

December 4, 2018, update for Office 2010 (KB4461579)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4461579/

 さらに、年明け早々の1月3日にもOffice 2010およびExcel 2010(いずれもMSI版)向けに新元号対応関連の以下の4つの更新プログラムが提供されました。しかし、これらの更新プログラムの影響で正常に起動しなくなる、強制終了するなどの重大な問題がユーザーフォーラムで多数報告され、その後、これらの更新プログラムはすべて取り下げられました。以下のサポート情報に説明されている方法で更新プログラムをアンインストールすることで問題は解消するとのこと。

January 2, 2019, update for Office 2010 (KB4032217)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4032217/
January 2, 2019, update for Office 2010 (KB4032225)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4032225/
January 2, 2019, update for Office 2010 (KB4461616)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4461616/
January 2, 2019, update for Excel 2010 (KB4461627)
https://support.microsoft.com/en-us/help/4461627/

連載一覧
 ほとんどのシステムにとって、元号の切り替えは初めてのこと。あと数カ月で新元号がスタートしますが、各所で問題が発生するような予感がします。WindowsやOfficeが適切に更新されていていればよいのですが、更新状態によって新元号への対応状況が異なることは各所で問題を引き起こすかもしれません。

 また、WindowsやOfficeの新元号対応と、Windows上で動くその他のアプリケーションや、Officeで開発した業務アプリケーションが新元号に対応しているかどうかは全く別の話であり、アプリケーションごとに影響の調査と対応が必要なはずです。

 加えて、上記の例のような更新プログラムのトラブルの繰り返しで、マイクロソフトの更新プログラムの品質に対する信頼も失われています。

 すでにサポートが終了したWindowsやOfficeバージョン、あるいはその他のアプリケーションを利用している企業は、これまで問題なく利用できていたとしても、新元号への切り替え前後に重大な問題が発生し、新システムへの移行、すなわち想定外の投資を余儀なくされる可能性もあります。

【次ページ】年末はWindows 7のサポート終了直前で大騒ぎの可能性も
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