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- 2022/05/13 掲載
旧SCCMや旧SMSの「ConfigMgr」、MSの“管理ツールの管理負荷”は高いのか?
山市良のマイクロソフトEYE
Endpoint Configuration Managerとは
「Endpoint Configuration Manager Current Branch」(ConfigMgr)は、Windowsベースのサーバやクライアントコンピューター、macOSのコンピューター、iOSとAndroidのスマートフォンやタブレットデバイスの、ソフトウェア/アプリ、更新プログラムの中央管理、OSの展開とデバイスのセットアップの簡素化、コンプライアンスやセキュリティの管理といった、包括的なデバイス管理機能を提供する管理ツールです。ConfigMgrは、クラウドサービスである「Intune」や「Desktop Analytics」、「Windows Autopilot」などとともに、「Microsoft Endpoint Manager」ファミリーの一部として提供されます。1つ前のバージョン「2111」では、数多くの機能が「プレリリース」から正式な「リリース」とされましたが、最新のバージョン「2203」では「タスクシーケンスデバッガー」機能がプレリリースからリリースになりました。また、コンソールのダークテーマ(プレリリース機能)など、いくつかの新機能が追加されています。新機能について詳しくは、以下のドキュメントで確認できます(画面1)。
もともとは社内に閉じたスケーラブルな統合システム管理ツール
ConfigMgrの歴史は1994年に発売されたSMS 1.0から始まります。当時、企業のIT環境に存在した、Windows NTやMS-DOS、Windows 9x(1995年のSMS 1.1でサポート)、Apple Macintosh(もちろんClassic)、OS/2の管理に対応しており、インベントリ収集、ソフトウェア配布、パッチ管理といった基本機能に加え、無人インストールに対応していないソフトウェアのパッケージ化、ヘルプデスクのためのリモートコントロール機能、ソフトウェアの使用を制限するソフトウェアメータリング機能など、プラットフォームを選ばない便利機能が付属していました(現在のWindowsには、Windowsインストーラーやリモートデスクトップ/リモートアシスタンス/クイックアシスト、AppLockerのような形でOSに標準で組み込まれています)。サイトの概念で階層的に管理する形は、SMSの時から基本的に変わっていません(画面2)。現在のConfigMgrは、管理対象がモダンデバイスになり、BYOD(個人デバイスの使用)やリモートワーク環境のためにクラウド(Intune)と連携した管理が可能になっています。
SMSと呼ばれていた当時、SMSはExchange ServerやSQL Serverなどとともに「BackOffice Server」スイート製品のコンポーネントでもありました。その後、「System Center Configuration Manager」に名称変更され、「Virtual Machine Manager(VMM)」、「Operations Manager(OpsMgr)」、「Data Protection Manager(DPM)」などとともに、「System Center」ブランドの下で数年ごとに新バージョンが提供されてきました。
それが、2015年のバージョン「1511」から「System Center Configuration Manager Current Branch」に枝分かれし、1年に3回のリリースサイクルで継続的に新バージョン、新機能が提供され続けています。2019年秋のバージョン「1910」のときにSystem Centerブランドを離れ、Microsoft Endpoint Managerブランドに移行しました。
このような名称やブランド変遷の複雑な経緯があるため、突然システム管理者に任命されて課題解決を命じられたとき、過去の知識を頼りにSMS(あるいはSCCM)でなんとかできるだろうと考えても、なかなか最新情報にたどり着かなかったり、話が通じなかったりするかもしれません。SMSと聞けば、若い人ならショートメールメッセージのSMSだと思うのがほとんどでしょう。また、最近のConfigMgrしか知らない世代にとっては、「SMS_Exective」や「CMUpdate.log」など、「SMS」や「CM」といった略称が至る所に出てくることを不思議に思うかもしれません。
【次ページ】ConfigMgr導入後は継続的に更新される
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