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- 2021/12/21 掲載
年末年始と2022年のWindows Update、特に年始は「慎重に実施すべき」ワケ
山市良のマイクロソフトEYE
基準は米国時間(PT)、あの日は毎月第2火曜日で決まり
マイクロソフトの日本のセキュリティチームは、年末が近づくと、ここ数年は欠かさず、翌年のセキュリティ更新プログラムのリリーススケジュールを公式ブログで公開しています(画面1)。https://msrc-blog.microsoft.com/2020/11/10/securityupdatereleaseschedule2021/
向こう1年の予定がはっきりしてありがたいと思う人もいるかもしれませんが、セキュリティ更新プログラムがリリースされる日は、毎月固定されていて動くものではありません。それは、米国時間の第2火曜日です。このセキュリティ更新プログラムのリリース日のことを、“Patch Tuesday”と呼ぶのは火曜日と決まっているからです。
このセキュリティ更新プログラムのことを“Bリリース”と呼ぶことがあるのは、Aを第1(その月の最初の火曜日を含む週)としたときの2番目の火曜日だからです。
マイクロソフトの日本のセキュリティチームが提供してくれたスケジュールがなくても、カレンダーを一目見ればどの日がセキュリティ更新プログラムのリリース日であるか簡単に分かります。その月の2番目の火曜日がリリース日で、時差の関係でカレンダー上、日本ではその翌日の水曜日に利用可能になります(あくまでも、利用可能になるのは全世界同時です)。
マイクロソフトは定例更新(Bリリース)の翌週、またはさらにその翌週にオプションの更新プログラム(累積更新プログラムのプレビューやCリリースとも呼ばれています)を提供しています。
ただし、これは新しいセキュリティ更新を含まない、翌月のBリリースに向けたセキュリティ以外の修正内容を先行して評価するため、あるいは修正される既知の問題をすぐに解決したいユーザー向けに月の後半に提供されるもので、リリースされる週や曜日が明確に決まっているわけではありません。
なお、2021年12月については、ここ最近恒例になっていますが、ホリデーシーズンのためCリリースは提供されません。12月15日(日本時間)のBリリースで、Bリリースに重大な問題があったり、緊急対応が必要なセキュリティ問題がない限り、Windows向けの2021年の更新プログラムは最後になります。
日本にあるWindows PCは、その月のWindows Updateの最初の洗礼を受けがちな件
毎月のセキュリティ更新プログラム(Bリリース)は、マイクロソフト本社のあるシアトルのローカル時間である「PST/太平洋標準時(UTC-8:00)」(またはPT/太平洋時間)でちょうどお昼ごろに利用可能になるようです。日本時間「JST(UTC+9:00)」だと、日付が変わってすぐのAM 3:00頃です。そのため、その日に会社に出社してPCの電源をオンにすると、起動直後の更新プログラムのチェックサイクルが始まり、更新プログラムのダウンロードとインストールが始まってしまうというのはよくありそうなパターンです。筆者は自宅で仕事をしており、意識して更新プログラムのダウンロードとインストールを実施しているため、本当によくあるパターンなのかはわかりません(単純な想像です)。
もう少し想像を膨らましてみると、米国にあるPCの場合、第2火曜日の起動直後のチェックサイクルではまだ更新プログラムが利用可能になっておらず、次のサイクルで、たとえば業務時間が終わるころ、ちょうどWindows 10やWindows 11のアクティブ時間(既定は8:00~17:00)外に更新プログラムのダウンロードとインストールが始まる、あるいは再起動待ちになっているといった状況なのではないでしょうか。
米国発のソフトウェアなので、全体の仕組みが米国での利用を想定して配慮されているように感じます(逆に言えば時差や言語の違いへの配慮が足りないとも言えます)。
Windowsのかつてのバージョン(Windows 7以前)、自動更新のサイクルと開始時間する場合、既定の設定が「毎日AM3:00」に開始するようになっていました(画面2)。
この「AM3:00」というタイミングが、Bリリースが利用可能になるタイミングと妙に一致しているのは、時差が生んだ単なる偶然だと思います(新しい更新プログラムを日本で先行的にテストしようなんて考えは決してないはずです)。
見方を変えると、PCの電源をシャットダウンせずに、スリープ運用する環境では、出社したときには更新プログラムのインストールがすでに終わって再びスリープ状態になっているということもあったかもしれません。もちろん、更新プログラムのダウンロードとインストール、そしてそれにかかる時間がすべてうまくいけばの話です。
【次ページ】Microsoft Apps(Office C2R)の機能更新は別
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