- 会員限定
- 2014/11/12 掲載
理屈をこねる人間はたくさんいるが、実行できる人間はなかなかいない
連載:トヨタに学ぶビジネス「改善」の極意
学問でいくら知識を増やしても、行動に生かされなければ意味がない
リコーの元会長・浜田広氏の「座右の銘」は、鹿児島に古くから伝わる「いろは歌(日新公いろは歌)」の一つだという。「いにしへの 道を聞いても唱えても 我が行ひにせずば かひ(甲斐)なし」
大意は「昔の優れた人の教義を聞いていくら知識を増やしても、また口で立派なことが言えるようになっても、自分の行動にそれが生かされていなかったら、何の意味もない」になる。なかなかに厳しい指摘だが、薩摩では400年に渡ってこの「いろは歌」が子弟教育の原典となっていた。
明治維新の立役者となった西郷隆盛も大久保利通も、あとにつづく薩摩出身の明治維新の重臣たちもみんなこの歌をそらんじて育ったという。戦後はさすがにこの歌を口にする人も少なくなったというが、浜田氏が小学生の頃はたいてい誰もがこの歌を習い、そして暗唱していた。
郷里を離れて以来、浜田氏は47すべての歌を覚えていたわけではないが、この「い」の歌はいつも頭の片隅にあり、「わが行ひ」と反芻しながら人生を送ってきたという。
人には不言実行タイプもいれば、有言実行タイプもいるが、企業では何より行動が大切になる。「わが行ひにせずば 甲斐なし」で、仕事というのは行動に移せなかったら結果は出ない。能力とは、知ること、考えること、話すこと以上に行動する量で決まる、というのが浜田氏の考え方だった。
トヨタ式に「いろは歌」のようなものがあるわけではないが、トヨタ式の基礎を築いた大野耐一氏の口ぐせは次のようなものだった。
「百聞は一見に如かず、百見は一行(行動)に如かず」
「『分かった』ということは行動することである」
セミナーに行った若手トヨタマンが上司に課されたこととは
若いトヨタマンAさんが上司の指示であるセミナーに出席した時のことだ。若いAさんにとってセミナーの内容は大変ためになったようで、翌朝、出社したAさんは笑顔で上司にこう報告した。「昨日はセミナーに参加させていただいて大変ありがとうございました。お陰さまで大変勉強になりました」
普通の会社なら、上司は「ご苦労さん、学んだことを生かして仕事をがんばって」のひと言で終わりかもしれないが、Aさんの上司はこう言った。
【次ページ】100の説法よりも一つの実行だ
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました