- 会員限定
- 2014/10/03 掲載
なぜトヨタは売上規模数十倍だったGMとの「差額」を集計したのか
連載:トヨタに学ぶビジネス「改善」の極意
トップに立つためにはトップとの差を正確に知る必要がある
5歳でテニスを始め、11歳で全国小学校選手権に優勝した錦織選手は、わずか13歳でアメリカのIMGアカデミーに入っている。日本にはいないライバルを求めての挑戦だったというが、いざ入ってみると、ライバルどころか、はるかに格上の選手が20人もいて、最初はまったく勝てなかった。
日本での自信がこなごなに打ち砕かれた錦織選手はその後、厳しい練習を続けることで、2年目に勝てはしないものの何とかポイントがとれるようになり、やっと3年目から勝てるようになったという。当時を振り返ってこんな言葉を口にしている。
「2年間負け続けて、努力の必要性を感じました。負けるとコーチにすごく叱られるんですが、それもいいことだと思っています」
「とても才能のある選手だ。必ずランキングトップ10に入る」
やがてナダルの錦織評が正しかったことが証明されるわけだが、トップ10に入ることと4大大会で優勝することはイコールではない。そこには大きな壁があり、その壁を埋めるべく錦織選手を指導したのがマイケル・チャンコーチである。
錦織選手のブログによると、当初期待していたのは精神的なアドバイスだったが、チャンコーチは実に10個もの技術的な指導を行うことで、錦織選手を飛躍的に成長させている。
トップに立つためにはトップとの差を正確に知る必要がある。それが10個もの技術的修正であり、精神的な強さであり、決勝まで戦うことのできる体力の強化だった。
錦織選手の素質は早くから世界が認めていた。それでもナンバーワンになるためには超えるべきたくさんの壁があり、その差が何かを知り、着実にその差を埋め続けたからこそ決勝に進むことができたし、「勝てない相手はいない」という発言につながったのだろう。
アスリートに限らず、企業もナンバーワンになるためにはトップとの差を正確に知ることが欠かせない。トヨタ時代の筆者にとって忘れられない仕事の一つが、GMとトヨタの比較だ。両社の「差額」をバランスシート上に表現するための工夫をするという作業である。
【次ページ】トヨタ式は原価比較でトップとの『差額』を知る
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました