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- 2014/02/10 掲載
稲盛和夫氏「値決めは経営」、アマゾンとアップルは対極 ではトヨタ式は?
連載:トヨタに学ぶビジネス「改善」の極意
「値決めは経営である」
京セラの創業者・稲盛和夫氏に「値決めは経営である」という言葉がある。『稲盛和夫の実学』(日本経済新聞社)の中でこう書いている。「値決めは単に売るため、注文を取るためという営業だけの問題ではなく、経営の死命を決する問題である。売り手にも買い手にも満足を与える値でなければならず、最終的には経営者が判断すべき、大変重要な仕事である」
たしかに値決めには経営者の思想がはっきりと表れる。IT業界を代表するアップルのスティーブ・ジョブズとアマゾンのジェフ・ベゾスはまさに対極にあった。ジョブズが得意としたのは「プレミアムな製品にプレミアムな価格をつける」ことだ。初めてiPodを世に送り出した時、その価格は399ドル。
「ポケットに1000曲」というコンセプトは良かったが、ほとんどの人は同種のMP3プレーヤーに比べて「高すぎる」「愚か者が値段をつけた」と売れ行きに懐疑的な見方を示したが、ジョブズは一歩も引かなかった。こう反論した。
「iPodより高いスニーカーがある」
結果はアップルの大勝利だった。以後もジョブズはiPhoneなどの新製品にプレミアムな価格をつけ、驚くほどの利益を生み出している。
こうしたやり方とは正反対の値決めを好むのがジェフ・ベゾスだ。アマゾンが最初に発表したキンドルは奇しくも399ドルだったが、改良を重ねることでキンドル・ワイファイが79ドル、キンドル・ファイアが199ドルと価格を劇的に安くすることに成功、ベゾスはこう胸を張った。
「プレミアム価格のついていないプレミアムな製品だ」
ベゾスによると成功する企業をつくり上げる方法は2つあるという。
1つは「とにかく働いて働いて、その分の高いマージン料を消費者に納得してもらうやり方」と、もう1つは「とにかく働いて働いて、できるだけ低マージンで提供できるものをつくるというやり方」になる。前者がアップル流、後者がアマゾン流ということだ。
【次ページ】トヨタ式の値段の決め方とは?
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