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- 2013/02/26 掲載
【ネット選挙で新しい政治を作ろう!(2)】ネット選挙運動規制の現状
連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』 アイアン・フジスエ
公職選挙法143条
この公職選挙法が選挙活動におけるインターネットの利用を制限しているのだ。ちなみにこの公職選挙法 (http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO100.htmlが生まれたのは昭和25 年(1950年)と60年以上前になる。この公職選挙法の条文の中で、インターネットの選挙利用を止めているのが、「公職選挙法143条」だ。
条文を見ると以下のようになっている。正直なところ何を書いてあるかよくわからないようになっている。
簡単にいうと、公職選挙法では、規定されたポスター、立て札、そして「ちょうちん」といった文書図画(「ぶんしょとが」と読みます)以外は使ってはいけなくなっており、この規定された文書図画にインターネット上のホームページやブログは含まれないと解釈されていることから、ネット選挙運動ができなくなっているのである。
選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号のいずれかに該当するもの(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第一号、第二号、第四号及び第五号に該当するものであつて衆議院名簿届出政党等が使用するもの)のほかは、掲示することができない。
一 選挙事務所を表示するために、その場所において使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
二 第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
三 公職の候補者が使用するたすき、胸章及び腕章の類
四 演説会場においてその演説会の開催中使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類
四の二 個人演説会告知用ポスター(衆議院小選挙区選出議員、参議院選挙区選出議員又は都道府県知事の選挙の場合に限る。)
五 前各号に掲げるものを除くほか、選挙運動のために使用するポスター(参議院比例代表選出議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者が使用するものに限る。)
2 選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は、前項の禁止行為に該当するものとみなす。
3 ・・省略・・
ちなみに、ホームページやブログは、コンピューターのディスプレイに表示され、一定の場所に掲げ人目に触れるため、第143条2にある「映写等の類」の掲示となってしまい、禁止されると法的には解釈されている。
ちなみに第143条に関する総務省選挙部の解釈は、「公職選挙法における文書図画とは、文字、文字に代わる符号、象形を用いて物体の上に多少とも永続的に記載された意識の表示をいいます。具体的には、書籍、新聞、名刺、あいさつ状、ポスター、立札、看板、ちょうちん、プラカード、葉書、電報、スライド、映画、ネオンサイン、アドバルーンなどの他、インターネットのホームページやブログ、電子メール、メールマガジン、壁や塀に書かれた文字、路面に書かれた砂文字に至るすべてのものが含まれます。」となる。
ちょうちんもすごくレトロであるがが、砂文字もすごく違和感がある。きっと砂文字で選挙活動をやった候補者はいたので規制されることになったのだろう。自分も含め色々と考える人がいるものである。
そして、電子メールの利用を禁止しているのが公職選挙法第142 条だ。
142条は選挙運動のために使用する文書図画は、同条に規定される通常葉書、ビラ以外に頒布することを禁止している。つまり法定のことしかできないようになっているのだ。
ここで「頒布」とは、不特定又は多数の者に配布する目的で、その内の1人以上の者に配布することを言う。その配布の方法も、直接に手渡す方法はもちろんのこと郵送、新聞折込みによるものまですべて含まれる。
第百四十二条 衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書並びに第一号から第三号まで及び第五号から第七号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。
一 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者一人について、通常葉書 三万五千枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ 七万枚
一の二 参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者一人について、通常葉書 十五万枚、中央選挙管理会に届け出た二種類以内のビラ 二十五万枚 ・・以下省略・・
つまり、不特定又は多数の者の利用を期待してホームページを開設・書換えすること、不特定又は多数の者に電子メールを発信することは、ここに言う頒布とみなされるのである。
このように、選挙運動のためにホームページを開設したり、選挙運動の目的で不特定又は多数の者に電子メールを送信することは、この第142 条及び第143条により禁止される。
また、選挙活動のパンフレット(選挙違反の警告事例)を見ると以下のようになる。
これを読むと政治に関係していない方々は、「インターネットに何を書いても警告される、なにができるのだろうか?」と思われるだろう。
実際に自分の選挙を2回、友人のを入れると10回くらい選挙をやっている藤末自身もまだよくわからないところがあるくらいだ。
結局は、日頃政治に関係がない人は、選挙活動へのどのように関与すればいいかわからなくなる。ネット選挙運動が解禁になったときは、なにができて、なにができないかのガイドラインを作らなければならない。このことは国会、特に総務委員会で(藤末は筆頭理事。筆頭理事は国会の審議日程などを調整する役割)強く総務省選挙部にプッシュしていく。
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