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  • 2013/03/08 掲載

【ネット選挙で新しい政治を作ろう!(4)】なにがネット選挙運動解禁を止めるのか 安倍総理の意志を問う!

連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』  

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2012年1月31日の衆院本会議で安倍総理が「インターネットの活用は自らの考えを多くの人に知ってもらう上で効果的だ。各党で議論の上、出来る限り早期に選挙で活用できるよう取り組む」とネット選挙運動解禁を進める考えを示して以来、ネット選挙運動解禁が盛り上がっている。そして、昨日、2月26日に国会において、藤末は、安倍総理にネット選挙運動解禁についての決意を確認した。
執筆:藤末 健三
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安倍総理の決意

 期待通り、安倍総理は強い決意を示してくれた。

 また、選挙とネットを所管する新藤総務大臣は、ネット選挙運動のガイドラインを示すこと、プロバイダにネット選挙運動対策体制(誹謗中傷などへの対策)を構築してもらうことを約束し、また、古屋圭司国家公安委員長はサイバーセキュリティ対策部隊(数百人規模)をネット選挙運動監視に割り当てると約束してくれた。
藤末は、この追い風を捉え、党派を超えて、ネット選挙運動会金の実現を進めていくつもりだ。

 さて、このようなネット選挙運動解禁への盛り上がりは世耕内閣官房副長官が仕掛けたものだ。世耕議員は表に全く出てこないが、安倍総理の発言、自民党の動きと次々に仕掛けており、さすがだと感心している。しかしながら、今後、ネット選挙運動解禁が成立するかは予断をゆるさない。今回は、なにがネット選挙運動を止めるのか、そして我々は何をすべきかを考えてみたい。

若くても古い選挙が得意な議員はインターネットを恐れている

 ネット選挙運動解禁の議論をしていると「高齢のITを分からない国会議員がネット選挙運動解禁を止めている」との話を聞くが、藤末の実感はやや違う。

 藤末の実感は、「年齢に関係なく、従来の古い選挙運動に長けた議員は、ネット選挙に消極的である」ということだ。

 よく言われるのは、国会議員になるにはジバン(地盤:後援会を作るのは大変!)、カンバン(看板:知名度)、カバン(鞄:豊富な選挙資金)という「三バン」が必要であるということだ。今の公職選挙法では第2回で説明したようにポスター張り、葉書送付、演説などできる選挙運動は限定されている。このため「ジバン」、後援会や利益団体など組織化された団体の支援がなければなかなか結果を出すことができないようになっている。

 したがって「親子代々3世代」なんてやってきた世襲議員は、長年に築きあげた組織で選挙を戦うので、そこに新たなルールを取り入れることに大きな抵抗があるようだ。

 自民党も2012年12月の衆議院選挙では公募で新しい議員が数多く(多すぎるくらい)当選しており、衆議院ではネット選挙運動解禁には抵抗がないようであるが、まだまだ古い選挙に馴染んでいる参議院議員においては、ネット選挙運動解禁にネガティブな意見が出ているようだ。

 2月20日の朝日新聞にて「ネット選挙に自民足踏み 妨害や費用を懸念」との記事が出ており、そこには「インターネットによる選挙運動の解禁に、自民党内で慎重論が広がり始めている。改選を控える参院議員やベテランを中心に、中傷による攻撃や費用負担増への懸念があるためだ。今夏の参院選からの適用を目指している与野党協議に影響する可能性もある。」とある。

 また、2月28日、自民党の佐藤勉国対委員長代理は記者会見で「ネット選挙運動解禁は(今夏の)参院選でやるのは(時間的に)ちょっと難しいのではないか」と述べた。その理由として、「(ネット上で)一斉に攻撃されたときに本当に防衛しきれるのかというところの議論が足りないのではないか。ルールを煮詰める必要が出てくる」と発言している。このような動きもあり、藤末は国会で、政府の誹謗中傷への取り組みと安倍総理の決意を確認したのである。
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