• 2011/01/13 掲載

【民主党藤末氏コラム】日本こそ海に眠るレアアースに目を向けるべき!

連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』 

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我が国は石油などエネルギーのみならず鉱物資源もほぼすべてを海外に依存している。昨年にはレアアースの産出国である中国において、レアアースの輸出規制などの動きがあり、また、ロシアなど他の国においても資源ナショナリズムが急速に高まりつつある。このような状況の中で注目を集めているのが「陸上でなく、海底にある資源」だ。
執筆:藤末 健三

世界第6位の領海を持つ日本

 ご存知の方が多いと思うが、我が国の領土面積は約38万km²で世界第61位だが、世界第6位の領海・排他的経済水域(EEZ)計約447万kmの広さを誇るのである。

 我が国の海域にあるのは石油・天然ガスだけではない。天然ガスを含むタンハイドレートや「海底熱水鉱床」などのエネルギー・鉱物資源の存在が確認されてきているのである。ちなみに、天然ガスが採取できるメタンハイドレートについて筆者は経済産業省(当時、通商産業省)環境政策課に勤務していた1995年時点において、その名前がほとんど世の中に知られていない時に環境対策の面からその活用をどうするかの議論を規模は小さいが行っていた。この数年でメタンハイドレートが広く知られたことを個人的にはうれしく思っている。しかしながら、今回は、メタンハイドレートではなく「海底熱水鉱床」について話をしたい。

鉱物資源安全保障の必要性

 中国政府は昨年7月、レアアースの輸出を前年比で約4割削減すると発表した。輸出規制が続けば日本のメーカーにとって原料調達に支障をきたし、大きな打撃となる。8月には「日中ハイレベル経済対話」が開催され、日本政府はレアメタル輸出規制の取り止めを訴えたが、中国政府は「資源保護と安全保障上のため規制はやむを得ない」と回答した。

 国内では、レアメタル輸出規制は尖閣諸島の漁船衝突問題から行われたと認識されることが多いようだが、中国政府のレアメタル輸出規制はすでに2007年頃から動き出しており、中国政府はより長期的な視野から動いていることを知らなければならない。

 レアメタルは、希土類といい名前のとおり生産量が少ない金属鉱物の総称である。特にハイテク電子機器に不可欠であり、例えば、ハイブリッド車の駆動モーターは「ネオジム」を使った磁石を使っている。また、金属を加工する超硬工具は「タングステン」が必要不可欠であり、液晶テレビには、「インジウム」が必要となる。このように我が国のハイテク産業になくてならないものがレアメタルである(ちなみにアメリカのハイテク兵器にもレアアースが不可欠であり、中国の輸出規制はアメリカでも大きな問題となっている。)
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