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- 2008/02/25 掲載
【民主党藤末氏コラム】信用保証の取り付け騒ぎが起きる?1月にはなくなる緊急保証枠
連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』
25日の日経新聞と東京/中日新聞の一面に私が関心を持っていた記事が掲載されました。中小企業が金融機関から資金を借りるときに返済を保証する「信用保証協会の緊急保証枠が年内に3兆円を切るであろう」というものです。
この緊急保証枠は第一次補正予算でできたもので、総額6兆円。それが10月31日から保証枠の提供を行い始めてから約2ヶ月で半分を使ったことになります。それだけ中小企業の資金繰りのニーズが高いということです。実際に私はいくつかの信用保証協会を訪問しましたが、短いところで6時間の審査待ち、長いところでは一週間の待ちとなっていました。場所によっては信用保証協会の方々も残業をして、また土日も勤務されて対応しています。
そして信用保証の申請は年末にかけてどんどん増えています。はじめ1日あたり数10億円だった保証の承諾は、年末には2,500億円を越えています。
12月24日時点の残額は3兆円2,264億円。12月30日まで信用保証協会は窓口をあけますので、残り4日の営業時間があり、このままだと年内に1兆円の保証枠を提供することになります。そうすると年末の残高は2兆円強です。保証協会の待ちの多さを考えるとこの予想は当たると思います。
1月中旬にはなくなる緊急保証枠 取り付け騒ぎが起きないか?そして年が明けて、毎日2,000億円の保証が行われたとすると約10日で残高がなくなります。つまり1月中旬に第一次補正予算による緊急保証枠はなくなるわけです。資金が不足する中小企業者の保証の取り付け騒ぎが起きないかが心配です。
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この保証枠を拡大するには第二次補正予算を成立させる必要があります。
ただ、この二次補正予算にはあまり評価が高くないばら撒きの「定額給付金」が含まれるようです(政府の説明)。そうなると1月5日に第二次補正予算が国会に提出されても第二次補正予算は絶対1月中旬までは成立しません。
麻生総理は、衆議院を通過したら30日で予算は成立するというルールを使って突破しようとしていますが、それでもおそらく追加補正予算の成立は2月中旬となります。これではまったく間に合いません。つまり、とにかく麻生総理は中小企業対策と定額給付金を分けて国会に予算を提出してもらわなければ中小企業は大混乱となります。
是非、企業経営者は周りに政治家に「定額給付金を分けて二次補正予算を提出するように」呼びかけてください。民主党は、このことを理解しています。それだからこそ小沢代表などが定額給費金を分けて補正予算を出すべきだと主張しているのです。
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