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- 2015/12/14 掲載
三井住友FGの業績で「大逆転」がありうる理由 メガバンク最大のトピックでも有利に
三井住友FGの業績は株価との連動性が高い
株価も「一人負け」した。翌営業日11月16日の東京株式市場は13日にフランスで起きたテロの影響が出たが、株価は三菱UFJが1.23%安、みずほが0.19%高だったのに対し、三井住友FGは2.19%も下落した。
ならば三井住友FGは、マーケットが株価で評価を下したように業績見通しが最も不安なメガバンク、なのだろうか? 決算内容を詳細に見れば、決してそうとは言い切れない。
その根拠の一つは、4~9月期決算で「株式等損益」が極端に悪化したという事実に潜んでいる。三井住友銀行単体の株式等損益は黒字ながら11億円で、前年同期の481億円の黒字と比べると97.7%の大幅減。356億円の赤字だった2013年3月期通期以来、2年半ぶりの悪い数字になった。かろうじて黒字に踏みとどまったと言ってもいい。
同じ4~9月期の三菱UFJの株式等損益(傘下2行合算)は340億円の黒字、みずほの株式等損益(傘下2行合算)は996億円の黒字で、それらと比べるとケタ違いの悪さが「一人負け」の大きな要因のようにみられている。
だが、1年半前の2014年3月期通期の株式等損益は、三井住友FGは1,064億円で三菱UFJの970億円、みずほの576億円をしのいでトップだった。2013年度の期初から期末までの日経平均株価の上昇率19.5%を最もうまく収益に結びつけることができたのが、三井住友FGだった。
日経平均の上昇率が9.0%だった2014年4~9月期も、みずほの株式等損益は266億円、三菱UFJは80億円しかなかったが、三井住友FGは481億円と、収益にしっかり結びつけている。
三大メガバンクそれぞれの株式等損益と、同じ期間の日経平均株価の騰落率をグラフで比較すると、三井住友FGは「株価が上がれば株式等損益もそれに比例して増える」という連動性が最も高い。
2012年11月に「アベノミクス相場」が始まって以来、日経平均の騰落率は2012年4~12月期から2015年4~6月期まで一貫してプラスだったが、2015年4~9月期はマイナス9.4%で、久しぶりのマイナスになった。それは「チャイナ・ショック」と呼ばれる中国が震源地の世界的な株安で、日経平均は8月下旬に2万円台から1万7000円台まで、一気に急落したためである。この4~9月期に三井住友FGの株式等損益が97.7%減になったのもある意味、納得できる。
【次ページ】メガバンクの「2016年最大のトピック」でも先行
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