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- 2014/11/27 掲載
中国経済特区深センの巨大エコシステムと、DNAをハックする合成生物学の可能性
自己組織のカオスから生まれた深センのエコシステム
アンドリュー・バニー・ファン氏
アンドリュー氏は現在、中国の経済特区である深センを中心に、まだあまり知られていない新たなハードウェア・サプライチェーンに取り組んでいる。
深センは、1980年代には30万人ほどの小さな都市だったが、2011年に1000万人を超える大都市に成長した。フォックスコンやファーウェイなどのグローバル企業から、数千人の中堅企業、数百人規模の中小企業まで数多くの製造業が進出している。周辺には部品を供給する巨大なマーケットが発達し、非常に巨大なエコシステムが形成された。
アンドリュー氏は「これだけ大きなエコシステムが発達すると、どんなモノでも迅速かつ柔軟に製造できるようになる」と述べ、かつての秋葉原ラジオデパートを何十倍に広げたイメージのビル内に、無数のパーツ屋や流通業者が林立する様子を紹介した。
いまや世界のエレクトロニクス市場は、製品の回転率が著しく、需要予測もかなり難しい状況であり、ゼロサムゲームの方向に向かっている。ある製品がヒットすれば、その他の製品はすぐに売れなくなってしまう。そのような中で、部品の在庫が増えれば、こうした市場ですぐに売りさばくこともできるわけだ。もちろんリスクもある。小さな店舗の中には、廃材から取り出したリサイクル部品を扱うようなグレーな部分もあるからだ。それでも、このエコシステム全体の一部として、柔軟性をもちながら機能しているようだ。
同氏は、このエコシステムによって自らが設計・開発したラップトップPC「Novena」の事例についても紹介した。
「無線とLEDライトとサウンドセンサーを内蔵した会議用バッジを開発・製造費込みで4000円以下でつくれた。またオープン・ハードウェアのラップトップPC「Novena」を500ユニットほど生産した。大企業では、この数量では対応できないが、エコシステムではハイエンドPCと同等機能をもつ製品をローコストで製造できる」(アンドリュー氏)
【次ページ】DNAをハックする「シンセティックバイオロジー」の可能性
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