- 2016/04/01 掲載
フロスト&サリバン予測:セキュリティがICTで最大の課題に、AcanoやSlackで市場が変化

2016年の5つのビジネストレンドとは
フロスト&サリバンが発表した5つのビジネストレンドは以下の通り。- ICT産業におけるセキュリティの最大懸念事項化
- スタートアップ企業の参入による市場形勢の変化
- ビッグデータの活用のさらなる進化
- 「スマートマシン」によるサービスの提供モデルの大きな変革
- 人工知能とコグニティブ・コンピューティングの多様な産業での活用拡大
ICT産業におけるセキュリティの最大懸念事項化
クラウド、モビリティ、IoT(Internet of Things)の急速な普及に伴い、プラットフォームがよりオープンになるにつれて、セキュリティに対する取り組みがICT業界にとって最大の懸念事項になることが2016年に予測される。これに伴い、サイバーセキュリティ保険の増加が今後予想されるほか、企業が専門のセキュリティベンダーを買収、または自社内での措置をさらに強化する動きが見られることが予想される。
スタートアップ企業の参入による市場形勢の変化
クラウドやモビリティの進化は、企業のオフィスのあり方にも変化をもたらしつつある。固定電話の利用を止める企業も現れているほか、マイクロソフトの「Skype for Business」といった新たなツールは、通信市場を大きく変換することが見込まれている。今後Skypeが従来型の通信プラットフォームに取って替わり、ビジネスにおける活用がより進むことが予想されるほか、英Acanoや米Slackの様な新たなスタートアップ企業が通信市場に参入し、音声や映像、会議システムの新しいサービスモデルの提供開始が期待される。
ビッグデータの活用のさらなる進化
医療機器やウェアラブル端末、自動車などにおけるセンサーの活用が拡大しつつあり、これらのセンサーから生み出されるビッグデータの活用が、今後多岐にわたる産業で進むことが見込まれている。農業では農作物の状態に関するデータをセンサーを通じて収集し、水や肥料をやるタイミングを正しく把握出来るようになるほか、医療の分野では、センサーを搭載したカメラが取り付けられた錠剤を患者が飲み込むことで、医師による病気の原因の特定を手助けできる。これらの例は、ビッグデータの活用が企業のビジネスにどの様な変革をもたらすかを示している。
「スマートマシン」によるサービスの提供モデルの大きな変革
ドローン、自動運転車、ロボットなどの「スマートマシン」は、様々な業種におけるサービスモデルを大きく変革していきる。例えば、英豪のリオ・ティントは、豪で無人運転トラックを活用して鉱山の掘削作業を実施し、米ウォールマートはドローンを利用した商品宅配に向けた屋外での試験飛行を申請している。この様な進展は、スマートマシンが多岐にわたる業種で活用され、ビジネスにおけるコスト削減と効率性を高める一方で、人々の雇用を脅かす懸念も示している。
人工知能とコグニティブ・コンピューティングの多様な産業での活用拡大
人間のように経験と知識に基づいて問題を解決する仕組みをコンピュータで実現するコグニティブ・コンピューティングが、2016年にサービスの提供モデルを大きく変えることが予想される。人工知能は今後導入が進むことが見込まれる一方で、人工知能が取って代ることが出来ない人間が行う要素は、依然として重要だ。
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