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- 2018/07/23 掲載
Google Home、Amazon Echoは「3兆円」のスマートホーム市場をどう変えるのか?
フロスト&サリバン連載
スマートホーム化で家族団らんが増える?
照明、カーテンの開閉装置、AV機器、エアコン、暖房器具、冷蔵庫、ドアロックといった、家の中のさまざまな電化製品がインターネットに接続される「つながる世界」が到来した。スマートフォンや、スマートスピーカーによる遠隔操作や、自動コントロールが可能な家を「スマートホーム」と呼ぶ。また、人間の能動的な指示がなくても、家電製品が家の状況を自ら判断して適切な温度や湿度を保ったり、人がいない場合は電気を消して節電効果を最大化したりする技術も一般的になった。さらに、「Singlecue」のように、指先の動きだけで機器を操作できるコントロールデバイスも発売されている。
米アマゾンでAlexaのプロダクトマネジメントディレクターを務めるMiriam Daniel氏は、「我々は個人の電化製品から離れ、"家族の時間"を増やしたいのです。家庭で各自が手元を見てスマートフォンを操作するのではなく、家族と実際に一緒に何かするようにしたいのです」と発言している。
スマートスピーカーを使えば、声だけで各種の機器をコントロールすることができるので、スマートフォンを使う必要がなくなる。スマートフォンの発明により、徐々にPCからスマートフォンを活用する割合が増えてきているが、スマートスピーカーはスマートフォンに代替するデバイスとなる可能性もある。
Amazon Echo、Google Homeも後押し
では、日本国内では、スマートホームはどのように発展してきたのだろうか。インターネットと家電を接続する試みの具体例としては、シャープのオープンレンジである「インターネットDEこれつくろ!」(1999年発売)が挙げられる。これは、同社のソフトコンテンツ配信サービスである「シャープスペースタウン」上に掲載されているレシピをオーブンレンジ本体にダウンロードし、スタートボタンを押すだけで下ごしらえから仕上げ加熱までを自動的に行うものだった。しかし、当時は一般家庭にインターネットが普及しておらず、ましてオーブンレンジの主要な利用者である主婦層には馴染みが薄く、2004年には販売中止となった。
その後も白物家電をインターネットに接続する試みはたびたび各社で行われたが、広くは普及しなかった。しかし、2010年代に流れが変わる。かねてより課題とされていたCO2排出量の削減や、東日本大震災や原子力発電事故をきっかけとした脱原発の流れなどを受け、省エネ家電やそれらの統合管理システムであるHEMS(Home Energy Management System)が普及。2012年には、パナソニックが本格的に「スマート家電」を展開すると発表した。
パナソニックはエアコンやドラム式洗濯乾燥機など8種の「スマート家電」を「節約・エコ」という視点のみならず、「快適・便利」という消費者の直接のQoL(Quality of Life)向上に貢献する目的で発売した。
フロスト&サリバンの調査では、Google HomeとAmazon Echoの2017年度の出荷台数は世界中で約3500万台であり、2018年には5000万台を超えると予想している
【次ページ】スマートホームが抱える3つの課題
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