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  • 2018/01/12 掲載

飲食業界ロボット最前線、ロボットアームや人工知能で人手不足は解消するか

連載:世界のロボット新製品

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2年に一度の国内最大のロボット展示会「国際ロボット展」の開催もあり、2017年末に国内勢が数多くのロボットをリリース。その数は70機種にも及んだ。今回は、このロボット新製品の中で、飲食業向けのものをピックアップした。労働者不足により、省人化が強く求められるこの業界。完全無人化やAI連携を模索し、人の仕事を置き換えようとしている事例が現れ始めている。
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AIとロボットアームの組み合わせでハンバーガーを焼く、Miso Roboticsの技術
(出典:Miso Robotics 報道発表)


11月に発表されたロボット製品は70製品

 筆者が所属するアスラテックでは、全世界をターゲットに、サービスロボットの開発動向に関する調査を行っている。その2017年11月度のレポートにおいて、世界で発表されたのを確認できたロボット製品は、70製品に及ぶ。引き続き、世界でのロボット開発競争は高水位で行われているといえる。

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2017年11月に確認されたロボット新製品
※この記事において登場する製品に関しては、筆者が所属するアスラテックの「サービスロボットの開発動向に関する調査~全世界版~」に掲載されている製品を基にしている。またここで示されるデータは、各社が発表している情報をもとにアスラテックが独自に集計している。
※当該期間に発表されたプレスリリースや報道において、国内で開発されたロボットとして取り上げられた製品のうち、工場などで使われる産業ロボット以外のものを「サービスロボット」としている。それらのサービスロボットについて追跡調査を行い、製作が完了した時期(商品の場合は発売時期)とジャンルをまとめた。プレスリリースなどで発表されていても、開発途中のロボットは含めていない。なお、サービスロボットのジャンル区分は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2010年に発表した「2035年に向けたロボット産業の将来市場予測」における、サービス分野のロボット分類に準じ、そのいずれにも該当しないロボットについては「その他」に分類している。


 構成要素としては、見守り・コミュニケーション、ホビーの2ジャンルが強く、30%を占める結果となった。その後、製造業、農業向けが続いた。

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2017年11月に確認されたロボット新製品(国別)

 また、日・米・中が三カ国で全体の72%強と、引き続きロボット開発をけん引していることが伺える。直近では中国の首位が続いていたが、今回は日本が首位になった。2年に一度日本で開催される「国際ロボット展」に向けた発表が日本企業で多く見られた結果と推察される。

世界中で起こる、飲食向けロボット開発合戦

 当連載のベースになっているアスラテックのレポートでは、飲食業界向けのロボット製品が39製品確認されている。日本に限らず世界中で開発が行われており、参入企業もベンチャーから大企業までさまざま。外食チェーン店によるロボット開発も行われている。

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飲食業向けロボット(用途別)

 その用途としては配膳・宅配、調理が過半を占める。以下で、具体的なロボット製品を見ていきたい。

ロボットを用いて、完全無人で淹れたてコーヒーを提供

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Cafe Xが開発した、完全無人のコーヒーショップ
(出典:Cafe X 報道発表)

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 米国ベンチャーのCafe Xが開発したのは、2台のWMF社製エスプレッソマシンと、三菱電機の6軸の産業用ロボットを使用した完全無人コーヒーショップ。

 スマートフォンのアプリで飲みたいコーヒーをオーダーできる。豆は3種類から選べ、ミルクやシロップの有無も指定可能。装置の前に取り付けられているタブレットの画面から注文することも可能。オーダー後、ロボットがコーヒーを淹れる。お店に向かう道中で注文しておき、できあがった頃に到着すればできたてをピックアップできる。

 ロボットアームがコーヒーをつかみ、台の上にセットされた8カ所の保温ステーションに置く。保温ステーションでは8分間コーヒーを保温して利用者にピックアップされるのを待つ。時間が経過したコーヒーは自動的に廃棄され、無料で新しいコーヒーが淹れ直されるという。

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ロボットアームがコーヒーをつかみ、台の上にセットされた保温ステーションに置く
(出典:Cafe X 報道発表)



 Cafe Xはすでに、サンフランシスコで稼働中。近隣のコーヒーショップよりも割安の価格設定となっている。

【次ページ】軍事技術の応用でピザ宅配の自動化を目指す
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