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  • 2017/10/30 掲載

話題の「AI融資」、いくらまで借りられるのか実際に算定してみた

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みずほ銀行とソフトバンクが出資する「Jスコア」がAI(人工知能)を使った融資サービスに乗り出した。審査にAIが活用されており、必要な情報を入力することで融資可能額や金利を自動的に算出する。しかも積極的に自身の情報を提供すれば融資可能額などがアップするという特典もある。勤務する企業の属性と個人の信用が強固に結びついている日本社会の場合、AIを使うことのメリットは限定されるかもしれないが、従来とは異なるアプローチを採用する融資サービスが登場してきた意味は大きいだろう。では、どうすれば自分のスコアが上がるのか、実際にJスコアのサービスを使って試してみた。
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JスコアではAIを使って借り入れ可能限度額を算定する


質問に答えていくと点数が得られる

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 みずほ銀行とソフトバンクは昨年9月、AIを使った新しい融資サービスを行う合弁会社を設立すると発表し、準備を進めてきた。今年9月にスタートさせたのがAIを使って融資の条件を判定する「AIスコア・レンディング」である。

 融資を希望する利用者は、自身に関する情報をWeb経由でJスコアに送信する。すると、自身の信用力を数値化したスコアが提示され、一定以上の数値だった場合には、融資可能額や金利といった情報を得ることができる。

 実際に融資を申し込む場合には、本人確認書類の提出などが必要だが、基本的な手続きはネットで完結するので、店舗などに出向く必要はない。今のところWeb限定のサービスだが、スマホのアプリもリリース予定となっており、いずれスマホでの申し込みも可能となる。

 スコアを知るだけであればニックネームでの登録も可能なので、気軽にサービスを利用できる。

 スコアの算定にはメールアドレスがあればよい。メールに送信されてきたコードを入力して認証が終了すると、早速、情報入力の画面となる。入力はAIサービスらしく、チャット形式となっており、先方からの質問に答えていけばよい。

 生年月日やおおまかな年収、勤務形態(正社員、非正規、自営など)、業種や職種、入社時期など約20の質問に回答すると、基本スコアが得られる。中堅企業の正社員で勤続20年、子供一人、持ち家なしという条件で最初に提示されたスコアは674点で、この場合には約10%の金利で120万円まで融資を受けることができるという。

 スコアの結果は、実際に融資を申請した場合の金利や限度額を保証するものではないとのことだが、基本的にはこのスコアに沿った融資が行われると思ってよいだろう。

情報を追加するとネガティブな情報でも限度額アップ

 Jスコアの特徴は、より詳しい情報を入力することでスコアをアップできるという点である。ここから先は質問数が大幅に増える。個人の性格や生活全般、お金に対する考え方、クレジットカードの利用状況など多岐にわたっており、仕事に関する質問だけでも14もの項目があった。

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情報を提供することでスコアアップできる可能性のある項目

 だが質問に対する回答を入力すればするほど、基本的にはスコアはアップしていく。趣味はパチコンやパチスロなどあまりプラスにならないと思われる項目を入力してもスコアは多少上がるので、基本的に情報量を増やせば増やすほど有利になると思ってよい。ただ、回答内容によって上昇幅は異なっており、そこで融資額などに差が付いてくると考えられる。

 追加情報を加えたところ、スコアは上昇し700を超えた。当初の段階と比較して金利は9.4%に引き下げられ、融資限度額も150万円に増えていた。生活の状況が変わった時には情報入力をやり直すことも可能で、スコアの変化を時系列的に見ることもできる。つまり自身のスコアを「育てる」こともできるというわけだ。

 日本の場合、社会が閉鎖的な階層構造となっているため、金融機関から見た時の個人の信用レベルは、就労形態(正社員かどうか)と勤務する企業の規模、借り入れの有無でおおよそ決まってしまうというのが現実である。

 要するに公務員か大企業の正社員ならよい条件でお金を貸すという単純な理屈であり、逆にこうした分かりやすい範疇に入らない自営業者などは、一定以上の年収があっても条件が急激に厳しくなるケースが多かった。銀行やカード会社が画一的な審査で融資が実行できていたことには、こうした社会的背景がある。

 そのような社会において、審査にAIを用いたからといって結果が劇的に変わるとは考えにくい。Jスコアにおけるスコア・アップにおいても、他のローン(自動車ローンやカードローンなど)を抱えていないという項目を入力した時のスコア上昇率は極めて大きかった。

【次ページ】与信をネットでオープンにした功績は大きいが…
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