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- 2018/06/28 掲載
「MECE(ミーシー)」とは何かをマンガでもわかりやすく解説、5つのフレームワークの基本を学ぶ
詳細は記事↓をチェック!記事では、MECEに考えるための、5つのフレームワークなどについても説明しています。
MECEとは何か
この「モレなく、ダブりなく」という概念は、実は小学校6年生の算数で誰もが習っており、その後中学・高校の数学でも習っている。「モレなく、ダブりなく」数える手法は、学校では「場合の数」や、「集合論」「確率」などで学習する。ある事象で起こりうることを「モレなく、ダブりなく」数えるために、小学生たちはロジックツリーのような樹形図を描き、高校生たちは集合の法則や順列・組み合わせの公式を使って計算する。
全体集合の中にA,B,C3つの部分集合があって、それらは互いに排反であり、かつA,B,Cの和集合が全体集合に等しくなる場合、それが「モレなく、ダブりなく」を意味する。つまり、互いに互いに排反であることでダブりがないことを確認でき、部分集合の和集合が全体集合に一致することでモレがないことを確認できるのである。
MECEはどのように利用するのか
さて、上記のような定義のMECEだが、ビジネスとどのように関係しているのだろうか。一般的にビジネスとは、ある課題に対しての解決策を見つけることがミッションである。そこでその解決策を考えるときに、課題が大きくて複雑であればあるほど、それを論理的に小さく、よりシンプルな形に場合分けする必要がある。そうして分けた小さな要素ごとに検討し、それを積み上げていく作業をしていくのだ。
これは構造化やセグメント化と呼ばれるやり方だが、この「論理的切り分け」作業を施す際に、切り分け方にモレがあると、問題解決に落ち度があることになる。また逆に、重複が出るような切り分け方をしていると、同じ検討を何度も繰り返すことになり非効率的である。
そこで登場するのが、「MECE」の考え方なのである。
MECEに考えていくための2つのアプローチ
それでは、MECEに物事を考えていくには、具体的に何をすればいいのだろうか。そのために、「トップダウンアプローチ」と「ボトムダウンアプローチ」と呼ばれる2つのアプローチ手法が使われる。これは、よく考えれば、誰でもが自然と考え実践しているはずの手法でもある。・トップダウンアプローチ
「トップダウンアプローチ」とは、その名のとおり、上から全体を見て、大枠を決め、そこに要素を当てはめていく方法で、いわゆる演繹的なアプローチだ。
全体集合がはっきりと見ている場合や、分類の仕方がわかりきっているような場合には、体系的、俯瞰的に物事を考えられるメリットがある。ゴールを意識した分類がやりやすい方法でもある。だが、全体像がわかっていない場合は、そもそも分類の段階でモレがある可能性もあるし、さらにいえば、スタート時点ではこのアプローチが使えない場面もある。
そういうときは、正反対の「ボトムアップアプローチ」が力を発揮する。
・ボトムアップアプローチ
「ボトムアップアプローチ」は、事前にどのような分類をしていいのかわからないような場合や、各要素をブレーンストーミングで洗い出していくような場面で有効な手法である。
「トップダウンアプローチ」が演繹的なアプローチであるのに対し、こちらは帰納的アプローチといえる。
まず思いつく要素を並べてみて、そこからグルーピングして分類の仕方を決めていく方法で、まったく未知の領域でも思考を開始できる強みがある。ただし要素の洗い出しが甘いと、分類にもモレが生じやすく、また分類の仕方を間違うと重複もありうるなどデメリットもある。
MECEはトップダウンアプローチで要素を洗い出し切り分けていくのが基本だが、全体集合が見えていない未知の分野などではまずボトムアプローチを試し、トップダウンアプローチで修正を加えながら進める、というのも有効な手法である。
【次ページ】MECEに考えるための、5つのフレームワーク
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