- 会員限定
- 2025/01/08 掲載
中国のCATLとは何者?「最強の電池メーカー」の事業・強み・市場シェアを解説
CATL(寧徳時代新能源科技)とは
CATL(Contemporary Amperex Technology Co., Ltd)とは、車載電池市場で世界トップシェアの中国の電池メーカーである。主に、EVやエネルギー貯蔵システム(ESS)に利用する電池、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の開発・製造・販売を行っている。ライバル企業には、中国のBYD、韓国のLGエネルギーソリューション、日本のパナソニックなどが挙げられるが、車載電池市場ではCATLが高いシェアを誇る。
創業者チームが1999年に設立したリチウムイオン電池メーカー・ATL(Amperex Technology Co., Ltd)に、「Contemporary(時代)」をプラスしてCATLと名付けられた。正式名称は「寧徳時代新能源科技」だ。
福建省寧徳市に本社を構え、中国だけでなくドイツやハンガリーなどに研究開発や生産の拠点を置いている。2018年には横浜に日本初となる拠点が誕生している。日本拠点では主に、CATLが提携する日本の自動車メーカー向けのカスタマーサービスを提供している。
創業者 | 曽毓群(ロビン・ゼン) |
本社 | 福建省寧徳市 |
研究開発拠点 | 福建省寧徳市、江蘇省リツ陽市、上海市、福建省廈門市、ドイツ(ミュンヘン) |
生産拠点 | 中国(10拠点)、ドイツ(エアフルト)、ハンガリー(デブレツェン) |
CATLの強み
CATLは、中国でEVに対する補助金の支給が始まった2010年の翌年に創業し、中国のEV化の波に乗り、2017年には日本を代表するリチウムイオン電池メーカーのパナソニックを抜いて、EV用車載電池の出荷量世界No.1に上り詰めた。その理由としては、「CATLが世界的リチウムイオン電池メーカー・ATLの技術をベースとした企業であること」「中国国内で原材料を確保できること」「研究開発に莫大な資金を投じたこと」などが挙げられる。
また、中国国内にEVメーカーが多く、車載用リチウム電池のニーズが高かったことも躍進の一端を担ったと言えるだろう。
CATLの歴史
CATLは、大規模かつ大胆な経営戦略で急激な成長を遂げてきた。創業の翌年には世界的自動車メーカーのBMWと戦略的パートナーシップを締結し、2013年には世界最大の商用車メーカーTutong社向けのEV用電池を開発。2022年には、EV電池搭載量において6年連続世界一を達成した。2023年8月には、4C急速充電が可能なリン酸鉄リチウム(LFP)電池「神行(Shenxing)」を発表している。なお、1Cとは1時間で電池の理論容量をフル充電するスピードのことだ。神行は4C対応のため、15分あれば全容量の充電が可能である。
さらに2024年には、リチウムイオン電池を用いた超長寿命の蓄電システム「天恒(Tianheng)」の開発を発表した。CATLの実験によれば、天恒蓄電システムの電池セルは最大1万5000回の充放電が可能であり、劣化によるシステムの容量減少は5年間は生じないとされる。
2018年、深圳証券取引所に上場したCATLの株価は2021年5月31日に過去最高となる1株429元を記録し、時価総額が初めて1兆元(当時のレートで約17兆1,700億円)の大台に乗った。世界的には電気自動車産業の業況は鈍化しているが、以後もCATLの株価は上昇傾向にある。
1999年 |
|
2011年 |
|
2012年 |
|
2013年 |
|
2014年 |
|
2022年 |
|
2023年 |
|
2024年 |
|
CATLは?リチウムイオン電池市場トップ10社を解説
CATLは、世界市場においてどのポジションにいるのだろうか。CATLはリチウムイオン電池メーカーの世界市場シェア(2023年)のうち、約37%を占める。2位は、同じく中国企業のBYDだ。電池メーカーとして創業し、ITエレクトロニクス・電気自動車・新エネルギー・モノレールの4つをメイン事業として展開している。今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
関連コンテンツ
PR
PR
PR