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- 2017/12/01 掲載
建設業界のロボット開発まとめ、清水建設や竹中工務店らがこぞって開発の理由とは
連載:世界のロボット新製品
9月に発表されたロボット製品は82機種
筆者が所属するアスラテックでは、全世界をターゲットに、サービスロボットの開発動向に関する調査を行っている。その2017年9月度のレポートにおいて、世界で発表されたのを確認できたロボット製品は82製品に及ぶ。この数は過去最高水準で、それだけ世界のロボット開発競争は激化していると言える。※当該期間に発表されたプレスリリースや報道において、国内で開発されたロボットとして取り上げられた製品のうち、工場などで使われる産業ロボット以外のものを「サービスロボット」としている。それらのサービスロボットについて追跡調査を行い、製作が完了した時期(商品の場合は発売時期)とジャンルをまとめた。プレスリリースなどで発表されていても、開発途中のロボットは含めていない。なお、サービスロボットのジャンル区分は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2010年に発表した「2035年に向けたロボット産業の将来市場予測」における、サービス分野のロボット分類に準じ、そのいずれにも該当しないロボットについては「その他」に分類している。
構成要素としては、8月と変化がなく、見守り・コミュニケーション、ホビー、教育の3ジャンルが構成要素の過半を占める結果となった。
また、引き続き日・米・中の3カ国でロボット開発をけん引していることが伺える。3カ国のシェアが87%強。90%に迫る比率だ。この3カ国のロボット開発の勢いは加速する一方である。
再点火した建設向けロボット競争
当連載のベースになっているアスラテックのレポートでは、建設業界向けのロボット製品が98製品確認されている。その数は着実に伸びてきており、この分野に対するロボットへの期待がうかがえる。ソフトバンクのPepper発売に代表される2014年ごろより始まる第三次ロボットブーム。遡ること30年前に起きた1980年代の第一次ロボットブームのころにも、多くの建設向けロボットが開発されていた。一度、その開発競争の火は消えたものの、再点火した形となっている。
では、実際どのようなロボット製品が開発されているのかというと、点検・調査、施工、環荷物搬送が上位に並ぶ。以下、具体的なロボット製品を見ていきたい。
橋梁橋を自動的に点検作業できるロボット
NEDOプロジェクトにおいて、イクシスリサーチが発表したのが、橋梁点検用ロボットだ。橋梁点検用のステレオカメラを搭載した橋梁近接目視作業を代替するのがこのロボットの目的となる。従来の橋梁点検のための高架下への足場の設置や、高所作業車または橋梁点検車の使用に伴うコスト高を削減するとともに、橋上の交通規制を最小限にすることで、橋梁維持管理の効率化が期待できる。
建設向けロボットとしては、一番多いのが、点検作業用ロボットとなる。建設された橋、ダム、トンネルなどは保守が必要となる。それらの保守作業を行っていた人の代替としてロボットは大きなテーマとなっている。
【次ページ】重作業をロボットが人をアシストする配筋アシストロボ
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