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  • 2014/06/20 掲載

農業保険に地下鉄リアルタイム情報、オープンデータで創出した国内外新規事業の事例

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オープンデータは“国や自治体などが機械判読可能なデータ形式で、二次利用可能な利用ルールにより積極的に公開するデータ”である。日本政府は、このオープンデータへの取り組みに力を入れ始めている。先行しているのは米国、英国だが、日本もデータカタログサイトが計画より二年前倒しで立ち上がり、データセットも約1万とボリュームの点では十分なレベルになってきた。この先、日本はどのような方向に向かうのか。6月2日に開催されたMicrosoft CityNext ソリューション フォーラムで総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 企画官 井幡 晃三氏が語った。

オープンデータとは何か

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総務省
情報流通行政局
情報流通振興課
企画官 井幡 晃三氏
 昨今、日本のICT政策では、3つの“データ”に焦点が当てられている。1つがビッグデータで、1つがパーソナルデータ、そしてもう1つがオープンデータである。

 オープンデータとは、「国、自治体、独立行政法人、公共交通機関や通信事業者など公益事業者が保有する公共データを、機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールにより公開するもの」として定義されたデータのことだ。

「データの公開という点では、従来から『情報公開』という概念も存在していましたが、オープンデータとはその性格や目的が異なっています」と語るのは、総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 企画官 井幡晃三氏だ。

「情報公開が『国民からの情報開示請求を受けて行政が対応する受動的なもの』であるのに対して、オープンデータは『行政自らが能動的に開示するもの』です。またその目的も、前者は行政の透明性の向上が主ですが、後者はそれに加えて、活用による新事業、新サービスの創出をめざしています。さらに実現方法としても、オープンデータはデータの加工や組み合わせを前提としており、機械判読可能な形式での公開が理想です」

世界では米国、英国が先行

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 オープンデータは、世界的にどのように活用されているのか。井幡氏によれば、欧米諸国、とりわけ米国、英国がオープンデータ活用に関して先行しているという。

 米国では、オバマ大統領が政権公約としてオープンガバメント、オープンデータを掲げており、就任4ヶ月後の2009年5月に連邦政府のデータカタログサイト「data.gov」を立ち上げた。

 ここでは、約9万のデータセットが公開されている。その後、サンフランシスコなど自治体レベルでの取り組みも活発化し、すでに全50州中43州がデータポータルサイトを開設済みである。

 英国では、2009年10月に「data.gov.uk」を開設し、約1万8000のデータセットを公開している。同国における取り組みの特徴は、オープンデータの二次利用に関する運用ルールである「オープガバメントライセンス」(OGL)を200年に定めたことで、これは広く世界中で参照される規範となった。また、自分の納めた税金がどう使われたかを知ることができるオープンデータ・アプリケーション「Where dose my money go?」は英国で生まれたものである。

 下表は、2013年10月に英国Open Data Instituteが発表した、世界各国のオープンデータ取り組み状況ランキングである。

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英国が1位、米国が2位となっており、日本は14位と下位に甘んじている。井幡氏は「調査実施当時、日本はデータカタログサイトを開設していなかったのが大きな減点となったと思われます」と説明した。
(出典:Open Data Institute)


 日本では、先行国に追いつけとばかりに、当初2015年度公開予定としていたデータカタログサイト「data.go.jp」を、試行版ながら2013年末に立ち上げた。データセット数は1万410で、ボリュームとしては同じくオープンデータ先行国のフランス、ドイツに肩を並べるまでになった。

【次ページ】オープンデータから新事業が続々創出
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