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- 2014/06/20 掲載
農業保険に地下鉄リアルタイム情報、オープンデータで創出した国内外新規事業の事例
オープンデータとは何か
オープンデータとは、「国、自治体、独立行政法人、公共交通機関や通信事業者など公益事業者が保有する公共データを、機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールにより公開するもの」として定義されたデータのことだ。
「データの公開という点では、従来から『情報公開』という概念も存在していましたが、オープンデータとはその性格や目的が異なっています」と語るのは、総務省 情報流通行政局 情報流通振興課 企画官 井幡晃三氏だ。
「情報公開が『国民からの情報開示請求を受けて行政が対応する受動的なもの』であるのに対して、オープンデータは『行政自らが能動的に開示するもの』です。またその目的も、前者は行政の透明性の向上が主ですが、後者はそれに加えて、活用による新事業、新サービスの創出をめざしています。さらに実現方法としても、オープンデータはデータの加工や組み合わせを前提としており、機械判読可能な形式での公開が理想です」
世界では米国、英国が先行
米国では、オバマ大統領が政権公約としてオープンガバメント、オープンデータを掲げており、就任4ヶ月後の2009年5月に連邦政府のデータカタログサイト「data.gov」を立ち上げた。
ここでは、約9万のデータセットが公開されている。その後、サンフランシスコなど自治体レベルでの取り組みも活発化し、すでに全50州中43州がデータポータルサイトを開設済みである。
英国では、2009年10月に「data.gov.uk」を開設し、約1万8000のデータセットを公開している。同国における取り組みの特徴は、オープンデータの二次利用に関する運用ルールである「オープガバメントライセンス」(OGL)を200年に定めたことで、これは広く世界中で参照される規範となった。また、自分の納めた税金がどう使われたかを知ることができるオープンデータ・アプリケーション「Where dose my money go?」は英国で生まれたものである。
下表は、2013年10月に英国Open Data Instituteが発表した、世界各国のオープンデータ取り組み状況ランキングである。
日本では、先行国に追いつけとばかりに、当初2015年度公開予定としていたデータカタログサイト「data.go.jp」を、試行版ながら2013年末に立ち上げた。データセット数は1万410で、ボリュームとしては同じくオープンデータ先行国のフランス、ドイツに肩を並べるまでになった。
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