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  • 2019/04/17 掲載

「新人が議事録を取れない」問題、真犯人は誰だ?

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4月。新卒社員を受け入れ、各所で新人研修が行われている。しかし、先輩が後輩に伝えるものが「一般論」なのか「ローカルルール」なのか「我流」なのかは見分けづらい。「我流&局所最適型」も多い。「議事録作成」はそうした指導の代表だ。というわけで、今回は「新人の議事録作成指導」について考えてみたい。
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よく聞く「新人が議事録を取れない」問題、本当に悪いのは誰なのか
(© naka - Fotolia)

議事録とは

 辞書を参照すると、議事録とは「議事の内容・審議経過・議決事項などを記録したもの。会議録。」と解説されている。

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 その主な役割とは、会議における備忘録、つまり記録を残すということだ。通常の社内会議やクライアントとの会議における内容は、議論された内容や取り決められたことが、口頭だけで終わってしまうと、意外とすぐに忘れられたり、記憶違い、認識違いが発生してしまったりする。

 そこで、決定事項やその後に取るべきアクションを明確に記録することで、関係する全員が内容を確認し、日々の業務に活かせるようにするというわけだ。このように議事録には関係者の認識を揃え、合意形成を図る効果があるため、 結果的にそれ以降の会議の質を上げ、効率化に寄与する。

 これがなかなかに、奥が深い世界なのである。

きちんとした「議事録指導」がみんなの生産性を高める

 新人教育といえば、営業配属された新人が客先に同行するとか、社内の会議に同席させてもらうといったことから始まる。

 そんなとき、実際の業務内容についての知識が不足している新人は、「議事録でもとっといてよ」などと指示を振られることが多い。丁寧な先輩の場合は、書かれた内容を見て、理解が追いついているかどうかをチェックし、不足している認識については教える。春から初夏にかけての風物詩だ。

 しかしここでおろそかになりがちなのが、「議事録とは何か」という一般論の部分である。一生懸命指導しているつもりでも、その場その場で必要な知識の手当だけに終わってしまうことが多い。新人の側としても、なんとなく見様見真似で作業はしてみるものの、ポイントがどこにあるのか腑に落ちないまま、違和感の所在をうまく言語化できずにモヤモヤを抱えてしまったりする。

 「議事録の書き方を指導するときに、定跡を教えるにはどうするか」を考えることは、実はメンバー育成にあたって極めて有効なツールとなり、ひいては新人以外のメンバーの業務生産性を高めることにつながるものだ。

「理不尽な先輩」は本当に理不尽なのか

 筆者にも、新卒社員のときに営業同行して先輩から議事録にダメ出しをしていただいた強烈な思い出がある。

 自分としては気を利かせて、箇条書きで打ち合わせの内容を列挙する形にしていたのだが、「勝手に要約するな」「省略せずに、語尾まで全部書きなさい」と、ずいぶんこってりと絞られた。何度やっても改善しなかったので、最後のほうはため息混じりにご指導いただくようなことばかりになって、気落ちしてしまった。

 仕事の内容は、大手製造業の製品開発にあたって作成する3Dプロトタイピングの技術営業だった。たしかに専門知識が不十分な状態で、未熟な営業が勝手に思い込んで社内の技術者や外部パートナーを振り回すと、後々トラブルのもとになるし、信用を失ったり余計なコストがかかったり、良いことは一切ない。

 いま振り返れば、だからこその親心によるアドバイスだったとわかるのだが、当時は先輩がただ理不尽なだけに見えていた。

【次ページ】議事録の取り方、残し方3パターン
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