- 2025/04/24 掲載
中国BYD、欧州事業見直し 戦略の失敗に対応
BYDの欧州特別顧問であるアルフレド・アルタビラ氏は王伝福会長に対し、純粋な電動車を欧州で売り込むのは依然として難しいと助言。これを受けて同社は昨年12月、欧州戦略ではプラグインハイブリッド車を重視する方針を示した。
BYDは昨年6月、フィアット・クライスラーの幹部を経てCVCキャピタル・パートナーズのシニアアドバイザーを務めていたアルタビラ氏に接触し、8月に特別顧問に任命。その後、アルタビラ氏がステランティスの管理職数人をスカウトし、ドイツやイタリア、スペインなどの責任者に採用した。現職役員によると、BYDは報酬を大幅に引き上げるとともに「成長の機会」を提供したという。
BYDは2023年に欧州に進出。前欧州担当トップのマイケル・シュー氏は30年時点のEV販売台数を域内トップとする目標を掲げ、欧州のEV市場で少なくとも5%のシェアを獲得すると見込んでいた。しかし24年末時点のシェアは2.8%、販売台数は5万7000台と、想定を下回った。
現職と元の幹部によると、同社は欧州市場に関する調査を事前に実施していなかった。また、ディーラー網は主要都市に集中し、極めて小規模だった。
複数の元幹部は、BYDの根本的な過ちは、欧州をさまざまな国で構成される何十もの市場ではなく、中国や米国のような単一市場と見ていたことだと分析している。ある元幹部は、欧州各国の市場は方向性がまちまちだと指摘し、「BYDは今、それを学び始めたばかりだ」と付け加えた。
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