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- 2018/11/08 掲載
オタク市場で存在感増す「コスプレ」、成長のカギはどこにあるのか
オタク市場とは
実はこのコミケ、すでに40年の歴史を持ち、今ではコミックだけでなく自主制作の音楽CDやキーホルダーやタオル、バッグなどの関連グッズなども販売されており、幅広い層を巻き込んでいる。
矢野経済研究所の「オタク市場に関する調査」によると、2017年度に予想される市場規模は5,680億円となっている。その内訳で最も大きいのはアイドルの2,100億円。次いで同人誌の817億年、アダルトビデオ・DVDの495億円、コスプレ衣装の350億円となっている。
アイドルは「ジャニーズ」や「AKB48」グループなどのファン層が市場を支え、大手プロダクションがけん引役となっている。また、そのほかのアイドルグループも多数存在し、コンサートやグッズ販売だけでなく追っかけと呼ばれる層の旅費滞在費なども市場拡大に一役買っている。
コスプレを制する者がオタク市場を制する
茶木代表によると、「同人誌にせよアニメにせよコスプレとは切っても切れない関係があると思います。著名なコスプレイヤーの場合、ツイッターのフォロワーも芸能人に匹敵する人数に及び、商業的な活動で動く金額も1,000万円を越えるなど社会現象にもなっています。コスプレイヤーはモデルやアイドルとして活躍するなどオタクだけでなく一般の方にも影響を及ぼす存在になっているのも注目したいところです。またハロウィンの人気を背景にコスプレの認知度は上がり、その市場は拡大の一途をたどっています」と話す。
コスプレに関してはVR(ヴァーチャルリアリティ)の分野でも進行している。ゲームはもちろん、キャラクターの衣装を着せ替えて楽しめるジャンルではアバターに自分だけのコスプレを施し、それをリアルの世界でも実現しようとするファンも少なくない。
ここまで広がりを見せるコスプレだが、コスプレ衣装自体の市場予想は350億円に留まっている。
コスプレにかける金額は1人当たり平均で年1万8,526円。これはコスプレオタクを自認するコスプレイヤーの場合で、ハロウィンに代表されるライト層では4,000円程度だという調査結果もある。
低価格帯の衣装はドン・キホーテやネット通販が主要なチャンネルだが、一方で高級志向のコスプレイヤーもおり、10万円以上をかけることも珍しくない。
伸び悩んでいるコスプレ市場だが、その要因は衣装の提供側が個人の遊びレベルを越えていないことにあると茶木代表は言う。
「世界では企業側がコスプレの場を提供するイベントが目白押しで映画やゲーム、雑誌、メディアなどとのコラボが進んでいます。コスプレイヤーをコンパニオンとして招致し自社の宣伝をする企業もあります。もちろん、衣装を提供するメーカーも大小合わせてかなりの数が存在し、アイアンマンやスパイダーマンでおなじみのMARVELコミックスでは『マーベル・シネマティック・ユニバース」が世界規模の一大フランチャイズと化しています」(茶木代表)
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