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  • 2023/10/05 掲載

日本独特の「ハロウィン」市場、USJはAdoとコラボ、知られざるホラービジネスの秘密

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新型コロナの感染拡大で自粛気味だったホラーアトラクション・イベントが活気を取り戻している。元々ホラーの人気は根強く、遊園地のお化け屋敷は昔から稼働率の高いアトラクションとして重宝されてきた。近年は多彩なアトラクションやイベントが次々に登場しており、集客施策や地域活性化策として活用されている。こうしたホラーの人気は、かつて日本には合わないと思われていたハロウィンの定着を後押しし、最近ではゾンビが出没するイベントも各地で見られるようになった。そこで本稿では、ホラーアトラクション・イベントの最新動向とともに、経済的な効果などについてひも解いていく。
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ハロウィン市場を徹底解剖
(出典元:Mix and Match Studio / Shutterstock.com)

コロナ禍で生まれた「新たなホラー」

 ホラーアトラクション・イベントは、基本的に人が人を楽しませるエンターテインメントである。そのため、コロナ禍では感染リスクを懸念して実施が難しかった。

 遊園地・テーマパークは感染予防の指針を策定したが、その中では、人と人が対面する場合(お化けと客など)は十分な距離をとる、利用者に大声・歓声を出させない、といったホラーで味わえるだいご味が制限される厳しい条件も課せられた。イベントも自粛となり、ホラーの盛り上がりは沈静するかに思えた。

 しかし、密や接触を避けることで、むしろ新しいホラー体験が生まれた。コロナ禍の真っただ中であった2020年10月、お化け屋敷制作などを手掛ける企業の怖がらせ隊は日本初となる自動車で楽しめるお化け屋敷「ドライブインお化け屋敷」を企画した。

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コロナ禍で生まれた新たなホラー
(出典:怖がらせ隊HP

 指定された場所で自動車に乗り込むと、大量の亡者が四方八方から襲いかかり、ラジオ電波を使用して車中に恐怖音声が流れる。全てのパフォーマンスは車外で行われるため、利用者とキャストの接触はない。このイベントはCNNニュースなどの海外メディアでも取り上げられた。

 さらに怖がらせ隊では、2021年夏に国内初となるデリバリーお化け屋敷「救急車型お化け屋敷【絶叫救急車】」を開始した。ネット上で予約(予約の際には駐車スペースの確保が必要)すると、予約タクシーのように、決められた日時と場所に絶叫救急車が停車する。参加者は救急車に乗車すると、約15分間、最新の立体音響収録マイクや3D立体音響、水しぶき、振動シートなど、テクノロジーが駆使されたさまざまな恐怖体験を味わうことができる。

 このほか、お化け屋敷のスペシャリスト、マイケルティー・ヤマグチ氏がプロデュースした世界初の大型バス式お化け屋敷「オバケバス by ZAUNTED」は、観光バスをホラー仕様に改造したもので、外見はまるで廃バスである。

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観光バスがお化け屋敷になったオバケバス
(出典:ZAUNTED リリース

 2021年3月下旬~4月上旬にNEXCO中日本とコラボをした際には、いわくつきの廃バス内の座席にシートベルトで拘束され、さまざまな恐怖現象を体験する「ホラーアトラクションモード」を披露した。

 遊園地やテーマパークでは、ホラーアトラクション・イベント開催の中止や縮小が相次いだが、コロナ禍の閉塞感のある空気を変えたいという思いもあって、あらゆる所で感染対策に配慮されたホラーイベントが実施され、形態は多様化していった。

 コロナの自粛要請がなかった2022年の夏休みから徐々にホラーイベントも戻ってきており、コロナが感染症5類に分類された後の2023年の夏休みには、ホラーの本格解禁となった。このように、ホラーアトラクション・イベントはあらゆる形態に進化しながらその数も増加しているのだ。 【次ページ】ホラーの「人気の秘密」と「企画側のメリット」
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