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- 2023/01/27 掲載
キン消しブームから40年…なぜ今「ガチャガチャ」が大人気? 独特すぎる進化の秘密
ガチャガチャ市場が急拡大、規模は400億円
近年のアミューズメント市場を見ると、従来の主力マシンだったビデオゲームやメダルゲームが伸び悩んでいるのに対し、クレーンゲームなどのプライズゲームや、ガチャガチャは設置台数および売上高を伸ばしている状況にある。一般社団法人日本アミューズメント産業協会によれば、新型コロナ感染拡大前の2019年度におけるアミューズメント施設のカプセルトイの設置台数は1473台、売上高は4億6,800万円だった。2014年度に比べ設置台数が117.6%、売上高は50.0%増加している。対してビデオゲームは設置台数22.0%減、売上高1.2%減、メダルゲームが設置台数29.8%減、売上高9.1%減であった。
現時点では、アミューズメント施設におけるカプセルトイの比率は決して高くはない。だが同協会の調査によれば、カプセルトイはクレーンゲームなどのプライズゲームに次いで、設置台数と売上高が大きく増加すると予想されている。これはアミューズメント施設に設置された機種での動向だが、カプセルトイ全体の市場規模は400億円とも言われている。
先駆けは「キン消し」の大ブーム
そもそもカプセルトイは昔から人気のあるコンテンツであるが、これはカプセルの中のミニチュアトイが進化し続けていることによる。国内でカプセルトイが大きく注目されたのが1980年代の「キン肉マン消しゴム」(通称キン消し)の大ブームで、これが最初のブームと言われている。このころは食品玩具など、小・中学生の男子の収集癖を刺激するような商品が次々に販売され、大ヒットを記録していた。キン消しもその1つである。子どもでも手軽に購入できる価格のおもちゃとして、男子の人気を獲得した。
2000年代に入り、海洋堂が提供する海洋生物などのボトルキャップがコレクションアイテムとしてブームになると、ミニチュアフィギュアに注目が集まり、カプセルトイにも動物や海洋生物などのフィギュアシリーズが投入された。そのため、男子だけではなく、それまでは興味を持たなかった大人や女性などの幅広い層へと利用が拡大していった。
このようなカプセルトイの需要の底堅さに対し、ゲーム関連企業が注目して開発しているのが、大量のカプセルトイを一同に設置する専門店である。最近では、さらに設置台数を増やして大型化する傾向が見られているようだ。
【次ページ】「ガチャガチャ専門店」が急増している納得のワケ
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