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近年では、ITベンダーやソフトウェア企業だけではなく、あらゆる業種においてIT技術部門が会社の未来を作るエンジンとなりつつあります。それぞれのニーズに合った機能、開発スピードといったシステムのプロジェクト品質を高めていくことはますます重要です。プロジェクト品質を上げるためにプロジェクトマネージャーはどのような能力を身に着けるべきなのか。コーチ・エィ コーチ 馬場久美子氏が実例とともに紹介していきます。
「多様性」とプロジェクトの品質は両立できるのか
IT関連の職場には、「技術力」を基準にさまざまなバックグラウンドから人材が集められています。この中には、技術者としてのキャリアが長い人、プロジェクトマネージャーよりも年上の人、外部から一時的にきた人、雇用形態が他と異なる人、コミュニケーションが苦手な人、外国の人、日本語があまり得意でない人など、実に多様な人材がいます。
中でも、プロジェクトマネージャーを悩ませているのは、本人が持つ能力を120%引き出し、プロジェクトの成功に貢献できるような状態を作り出すことです。
言い換えれば、プロジェクトマネージャーの課題はいち早く相手と信頼関係を築き、目標達成に向けて自発的な行動を引き出すコミュニケーションをとることだということです。こうしたコミュニケーションをとる技術を「コーチング力」と呼びます。
多様な人材の集まるIT職場において、どのような相手であっても、いち早く信頼関係を築いたり、適切な目標設定とフォローができれば、確かにプロジェクト品質が高めることができます。
プロマネに求められるのは「コーチング力」
プロジェクトマネージャーのコーチング力とプロジェクトの質の正の関係は、コーチ・エィのリサーチ部門である
コーチング研究所が行った調査でも明らかになっています。
この調査では、開発スピードやシステムの安定稼働といった「プロジェクト品質」に最も大きく影響するIT職場の変数を明らかにするため、プロジェクト品質が「高いチーム」と「低いチーム」に見られる違いを調査しました。
「プロジェクト品質」が高かったチームは、「建設的な意見交換ができるかどうか」「上司への信頼感があるか」といった「プロジェクト活性度」も高い傾向にありました。そして「プロジェクト活性度」が高いチームは、担当するプロジェクトマネージャーの「質問」や「フォローアップ」などの「コーチング力」が高い傾向が見られました。
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