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- 2016/02/29 掲載
富山県南砺市長とウーバー社長「高齢化、過疎化の世界先進地域でシェアリングを活用」
少子高齢化、過疎化が進む地域住民の移動を、シェアリング交通で効率化
広域合併で生まれた他の自治体と同様、8市町村が合併して誕生した南砺市にとって公共施設の重複は現在も残る課題。公共交通機関もそのひとつだ。民営化などで市の資産を半分にすることを目標として取り組んでいるが、前述のように高齢化、過疎化が進む地域を抱えていることからコミュニティバスなどの公共交通機関廃止は難しい。
この課題を解決するためのキーワードがシェアリング交通、そのパートナーとして南砺市が選んだのがUber社だった。
Uber社が自治体と協定を締結するのは初めての試み。しかも無償で活動するボランティアドライバーを支える仕組みを提供するため、システム利用料の徴収もない社会貢献活動として取り組むことになる。
少子高齢化、過疎化が進む地域住民の移動を、シェアリング交通で効率化
「利賀地域の住民にとって唯一の公共交通機関はコミュニティバスだが、効率的に利用されていないというのが現状。ごく少数の客を乗せたバスを運行させ続ける非効率な現状を変えるため、代替交通手段を確保しなければならない」(南砺市長 田中 幹夫氏)
そのパートナーとして白羽の矢が立ったのが、移動したい人とドライバーのマッチングサービスを世界で展開するUber社という訳だ。タクシー会社のない利賀地域ではボランティアドライバーを、それ以外の南砺市内では既存タクシー会社の車輌とをマッチングさせることで、市内全域に移動しやすい環境を整備したい考えだ。
田中市長とUberとの出会いは、2014年9月に同市で開催された「公共交通ハッカソンin世界遺産五箇山」でのこと。地域課題をITの力で解決するCode for Nantoが主催したもので、Uber Japan 執行役員社長である高橋 正巳氏も参加していた。
その後、大勢の学生ボランティアが参加する利賀そば祭りで、ボランティアドライバーと学生とのマッチングにUberを実験的に利用、その効果と使いやすさを確認したうえで今回の協定締結へと歩みを進めてきた。
【次ページ】市民によるワークショップを受けてパネルディスカッション
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