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- 2018/09/10 掲載
拡張アナリティクスの衝撃、データサイエンティストでさえ“仕事を奪われる”
ガートナーの定義によれば、拡張アナリティクスとは機械学習・AIを組み込んだ分析のこと。自動的に分析がなされる仕組みのことを指す。たとえば、近年のアナリティクスやBIでは、分析データの前処理(データの整理、品質確保など)に手間とコストがかかっている。しかし、拡張アナリティクスでは、アルゴリズムによるスキーマ検出、プロファイリング、エンリッチメントのカタログ化/レコメンデーション、データ・リネージ、メタデータなどを活用することで、これらの手続きを軽減・削減する。
複雑化するデータ分析、「戦略」と「スピード」が必須
ガートナーのアイディーン氏は「『アナリティクスがアナリティクスによって、けん引される』という表現を私は気に入っている。機械学習・AIは、さまざまな業界を様変わりさせ、自動化された洞察力が業務の中に入り込み、自然な形で我々が作業を遂行できるようにした」と話す。
ビジネス領域のアナリティクスには、大きく2つの変化が起こっている。
1つ目の変化は「データソースやデータ量が増大し、さらに複雑化してきている」ということだ。構造化データ以外に「非構造化データ」「準(半)構造化データ」などデータの種類が増え、それが複雑化をもたらしている。たとえば、何十億というレコードがあり、かつ100以上の変数がある場合、人手を介した分析作業はまず不可能だといえる。
アイディーン氏は保険会社に勤めていた時、何十億件というレコードがあり、1000以上の変数があるデータを分析しなければならない状況にあったことを紹介した。当時は1カ月に1つの分析しかできず、非常に多くの時間を費やしていたという。
2つ目の変化は「より戦略的な分析がビジネスサイドから求められるようになった」ことが挙げられる。アナリティクスが実際の業務の流れに組み込まれたことで、ビジネスの現場でもより迅速にインサイト(洞察)を得たいというニーズが生まれている。
そこで重要になるのが「拡張アナリティクス」だ。ガートナーの調査によると、アナリティクスの利用はまだ限定的で、BIA(BI/アナリティクス)ツールを使用している、またはアクセスできる企業は32%にとどまっているという。
アイディーン氏は「今までと比べて改善されてきてはいるものの、まだまだ道のりは遠い。より多くの人々がアナリティクスにアクセスできる仕組みを構築する必要がある」と指摘する。
拡張アナリティクスで何ができるのか
ガートナーが定義する「拡張アナリティクス」、または「拡張された洞察」とは、機械学習・AIを組み込んだ分析のことを指す。自動的に分析がなされる仕組みのことだと言いかえられる。その一例として、オラクルが提供するBIサービスである「Oracle Data Visualization」がある。
「このサービスでは、画面上でどの変数を分析したいのかを指定できる。たとえば、『離脱率』を選択すると基本的なファクトが出てくる。そして、何が原因で離脱率が上がるのか、あるいは外れ値が何なのかを示してくれる」(アイディーン氏)
ダッシュボードではなく会話型や音声UIに対応するツールやサービスもある。たとえば、「Amazon Echo」を使って「Alexa、なぜ私の売り上げがこの8カ月下がり続けているのか教えて」と問いかけたとする。Alexaは画面に分析結果を表示しながら、「プライシングに問題があるようです。特にカリフォルニアでそれが顕著です」と回答する。さらに質問を投げかけると、また答えを返してくれる。
分析結果から自動的に洞察までを導き出し、しかもそれが会話型でやりとりできるまで進化すると、これまで一握りの人だけのものだったアナリティクスでも、より多くの人が使えるようになる。
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