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  • 2017/06/28 掲載

AI・人工知能EXPO速報レポ:5万円でデータアナリスト、無人スーパー向け画像認識など

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本日6月28日より30日までの3日間、東京ビッグサイトにて「第1回 AI・人工知能EXPO」が開催される。今回、本イベントは初開催となるが、合計110社が出展しており、昨今のAIブームの盛り上がりを示す結果となった。ここでは、無人スーパーに適用できる画像認識技術や、脳波データをAIで学習する技術、食材に合った料理レシピを音声で提案するロボットなど、特別に会期前に取材した展示会の見どころの出展についてご紹介していこう。
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Automagiのブースでデモされていた「ロボットコンシェルジュカート」。食材に合った料理レシピを音声で提案する

スーパーで買った食材からレシピを提案してくれるAI

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 ドコモの「iコンシェル」に使われている解析ロジックの開発を手がけてきたAutomagiは、買い物カートに付けられたカメラにより食料品などをAIで画像認識し、その食材に合ったお料理レシピを音声で提案してくれる「ロボットコンシェルジュカート」を展示していた。

 たとえば、スーパーで購入した旬の食材や今日のお買い得商品などをカメラにかざすだけで、その食材にあった料理を教えてくれる。毎日の夕食メニューを考えるのに苦労している主婦の支援にもつながるだろう。

 ブースのデモでは、ロボカートがバナナを認識し、たとえば「バナナの茶色い斑点は甘くなった証拠です。リンゴと合わせてジュースにすると、お肌にいいですよ」というようなアドバイスをしてくれる。まだ実用化はこれからとのことだが、将来的に店舗に置いてサービス展開することを考えており、実際にスーパーでの引き合いも来ているそうだ。

 また同社の画像認識技術は物流系での応用も可能で、ベルトコンベアに流れてくるモノや大きさをリアルタイムに認識し、効率的に仕訳けを行うような実証試験も進められている。

 ICタグを使わず商品を認識して清算を行うなど、無人スーパーへの応用も考えられるという。このほか、酒場で会話を盛り上げるユニークなAI「カールスロイド」も展示。人の会話を記録し、話題を分析し、もし沈黙があれば、盛り上がりそうなネタを提供してくれる。

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酒場での会話を盛り上げてくれる「カールスロイド」

人の気持ちを汲んでロボットとの協調動作を可能にするAI

 電気通信大学 人工知能先端研究センターでは、AIが人の気持ちを汲んで、ロボットが協調動作を行ってくれる研究成果を発表していた。この研究は、いわゆる認知ロボティクス分野に近いものだが、人の仕草や振る舞いをみながら、その人が次に何をして欲しいのかということを予測しつつ、最適なタイミングでサポートしてくれるという。

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電気通信大学のブースでは人の気持ちを汲んで、ロボットアームが協調動作するデモを披露

 オフィスのPCのカメラで、仕事をしている個人を撮影し、一連の振る舞いをAIが学習する。たとえばホッチキスを使っているシーンなどを学習すれば、どういうタイミングで使っているのか、動作パターンが見えてくる。そこで予測を行って、その人がホッチキスを使いたいときに、ロボットに差し出してもらうことが可能になる。

 現在はロボットハンドでモノを把持(はじ)することが研究の中心だが、将来的にこの技術を自動運転に提供すれば、人の顔の表情や振る舞いを判断し、ドライバーが疲れているときに完全自動モードにするといった支援技術にも応用が利くとのこと。人の気持ちに寄り添いながら、機械が手伝いをしてくれる黒子の役目を果たしてくれるそうだ。

音楽療法に使える作曲を行うAI技術

 リトルソフトウェアのブースでは、脳波をベースにして、その人の精神状態を表現する技術を紹介。これは「CREATIVE FLOWER」というシステムで、若手有志がコラボしたオープンイノベーションだ。有志の一社であるリトルソフトウェアは、脳波を感情に変換するアルゴリズムを開発している。もともと同社は、医療系で癲癇(てんかん)を分析することからスタートした会社だ。

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脳波から人の精神状態をフラワー(花)で表現し、ベストな状態を導く「CREATIVE FLOWER」

 CREATIVE FLOWERの開発には「創造性を民主化する」というミッションがあり、AIやロボットを活用して、ストレスがたまる現代のビジネスマンの仕事を、最も良い状態で遂行できるようにする狙いがあるそうだ。

 このシステムでは、ヘッドセットをかぶった体験者の前頭葉、または側頭葉から脳波を検出することで、ロボットが人の精神状態を解析。体験者の精神状態は「フラワー」(花)によって可視化され、脳の状態に応じて花が開いたり、つぼんだり、色が変わる仕組みだ。感情を表す言葉も画面に現れ、文字の大きさでその強さも示される。

 最後にその人の脳が効率よく動く「超集中状態」(いわゆるフロー状態)に入りやすい香りや音楽をロボットが提案してくれるという。

 リトルソフトウェアのブースと同様に、脳波を活用するという観点で面白かったのは、AIによって音楽を自動作曲をさせようという試みだ。大阪大学とブレインメロディのブースでは、スピーカーなどから流れる音楽を10曲ほど聴きながら、特殊な脳波計で脳波を収集し、その脳波に合わせてオーダーメイドの曲をつくるシステムを紹介。

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大阪大学とブレインメロディのブースでは脳波からパーソナライズされた楽曲をつくれるAI技術を展示

 これまでもAIで作曲という研究はあった。しかし、この研究は単に音楽をつくるだけはない。いわゆる音楽療法に使えるような曲をユーザーに合わせてつくってくれる点が画期的だという。

 自動作曲をするために、「遺伝的アルゴリズム」と呼ばれるAI技術を用い、感情を推定する感情モデルと、なりたいと思う気分(たとえば高揚気分など)の曲を作曲するルールを同時に構築する。それらのモデルを用いて、なりたい気分を指定すると、自動的に独自の曲がつくられ、MIDI形式でシンセサイザーにより再生される仕組み。

 このほかにも同ブースでは、クリムゾンテクノロジーと共同で、業界初のリアルタイム音声変換システム「リアチェンvoice」をデモ。キャラクターの声を登録し、独自システムで音声学習させて特徴量を抽出し、リアチェンvoiceのコンバータをつくる。

 そこで現場のナレータが声を入力すると、リアルタイムに音声をキャラクターの声に変換してくれるというものだ。テーマパークやイベント、自治体などで採用されているという。

【次ページ】データアナリスト不要で高精度な予測モデルを作成
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