- 2016/07/05 掲載
Brexit、英国のEU離脱が「ハイテク産業に」もたらす4つの影響
英国のEU離脱がハイテク産業に今後及ぼす影響
フロスト&サリバンが発表した影響は大きく4つ。- 人材の不足
- 「デジタルハブ」としての英国の役割の変化
- データ保護・規制の新たな枠組み
- 起業に向けた資金調達の変化
英国のハイテク産業は事業の成長のために、高い技術を備えた人材を常時必要としている。EUからの移民流入の制限によって、英国内で事業展開を行う企業は今後適切な人材の確保が困難となることが予測される。また、ハイテク産業に従事するEU市民は、欧州内の他国でのより好条件の仕事に移る可能性もある。
英国は企業の海外進出の入り口として、特に米国企業を中心に多くの企業が進出しているほか、ロンドンを中心に多くのスタートアップの活動も盛んだ。今回のEU離脱により、主要なITプロバイダが欧州における拠点を英国内に維持するのか、あるいはパリ等の他のEU内の主要都市へ移転するかどうかについては、不透明だ。
また、EUが推進するデジタル技術の活用でEU域内の基盤統合を進める「デジタル・シングル・マーケット(DSM)」戦略から英国が外れることで、市場の孤立が進み、国境を越えたオンライン商取引・Eコマースによる利益を享受できなくなる可能性もある。
欧州で長年の議論の中心となっているデータの保護や規制において、英国は「EU一般データ保護規則」と同等の規定を今後採用すると見られる一方で、企業の登録や各EU加盟国のそれぞれ異なる規定への準拠が今後より困難になることが見込まれる。データの保存場所の把握は、データおよびプライバシー保護において、今まで以上に重要となる見通し。
さらにEUは、米国企業の欧州におけるデータ収集やユーザー情報の管理に関する方針を推進し、新たなプライバシー保護協定「EU-USプライバシー・シールド」について英国と先に同意した。今回の英国のEU離脱を受けて、英国は2018年以降このルールからは除外されることになり、データの保護規定に関する新たな規定についての交渉が必要となる。
イングランド銀行は、英国経済や金融セクターに向けた支援を行うと先に表明したが、資金調達に関する懸念が、今後特にスタートアップ企業間で高まることが予想される。欧州投資基金(EIF)は英国内のベンチャーキャピタルの中でも最大の投資家となっているが、この資金調達の流れが今後も維持されるのか、またその場合の期間はどの程度になるのかは、大きな議題となっている。
これらに加えて、英国のEU離脱の決定によって、欧州全土にわたって適用される規定については、再度協議がなされる必要があり、知的所有権や商標権に関する規定は、英国、そして欧州においてそれぞれ異なる規定がなされる必要があるという。
企業や機関は今後取るべき道筋についての評価を行っており、その多くは英国の離脱交渉が終了する前に、今後の事業計画を実行に移すと見られる。
一方で、英国のハイテク業界は革新に満ちており、回復が早いことは過去に実証されている。そのため、EU離脱による混乱や不確実性は乗り越えられることが期待されているとフロスト&サリバンでは指摘している。
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