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- 2024/08/09 更新
【2024年版】ITパスポート試験とはどんな資格? 合格率や勉強法などわかりやすく解説
ITパスポート試験とは何か
ITパスポート試験とは、ITに関する基礎知識を持っていることを証明する国家試験の情報処理技術者試験のうちの1つです。情報処理技術者試験は情報処理に関する知識と技能を認定する国家試験で、全部で12の試験区分があります。昨今のビジネスシーンにおいて、PCやタブレットなどのデバイスを使いこなすことが必須となってきました。業種や職種、文系、理系に問わず、ITの知識をなくして、ビジネスは成り立ちません。
金融業界でもITパスポート試験の受験者数が年々急激に伸びており、2017~2020年度にかけて約4倍にまで拡大しました。IT業界でも、さくらインターネットの田中社長がITパスポート試験に合格して話題を集めました。役員間で全社員に取得させる案について話し合っていたところ、社長自らも取得することになったようです。
こうした中、2023年度の応募者数は30万人に迫る過去最多の29万7864人(前年度比17.7%増)となりました。受験者数、合格者数と併せて右肩上がりを続けています。
ITパスポート試験を取得するために勉強することは、情報処理の仕組みを学ぶのに役立つだけでなく、実は経営全般に関する知識も習得できます。企業の戦力になるための総合的な基礎知識を得ることができ、ビジネスパーソンに必須の資格になったと言えるでしょう。
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ITパスポート試験の取得メリット4つ
ITパスポートの資格を取得するメリットは、以下の4点が挙げられます。- ビジネスパーソンに必須のITとビジネスに関する基礎知識を身に付けられる
- 情報処理技術者試験の上位資格への足がかりとなる
- 就職・転職に生かせる
- 国家試験で認知度や信頼性が高く更新も不要
各メリットを順番に解説します。
■ビジネスパーソンに必須のITとビジネスに関する基礎知識を身に付けられる
ITパスポート試験の出題範囲は、ITの知識だけではありません。企業に関する知識や法務、経営戦略など、すべてのビジネスに通じる知識も問われます。受験勉強を進めていくだけで、ITとビジネスに関する基礎知識が身に付けられる点は、本試験における最も大きなメリットとなります。
■情報処理技術者試験の上位資格への足がかりとなる
ITパスポートを取得すれば、上位資格に位置付けられる基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのベースとなる知識を身に付けることができ、受験の足がかりとすることができます。もちろん、ITパスポート試験の出題範囲を習得だけで上位資格に合格できるようになるわけではありません。しかし、基本的な用語は理解できている状態なので、より専門的な勉強もスムーズに進められるようになります。
■就職・転職に生かせる
ITパスポートの資格を持っていれば、ITやビジネス系の基礎知識があることをアピールすることができます。たとえば、PCの操作やネットワークの設定・管理などの仕事を任されることが多い事務系の職種に就職する場合、ITパスポートを取得していることでITの知識を身に付けていることを示すことが可能です。
■国家試験で認知度や信頼性が高く更新も不要
ITパスポートは1度合格すれば更新は不要です。他のベンダー試験などのように、数年に1度更新する必要があるものに比べて、維持コストがかからない点も大きな魅力です。国家試験のため認知度も高く、就職・転職先や取引先の企業からも信頼されやすくなります。
ITパスポート試験の取得デメリット
受験料はかかりますが、基本的にITパスポートを取得すること自体にデメリットはありません。ただし、IT業界で長く働いているにもかかわらずITパスポートしか資格を持っていない場合は、IT技術者としてのレベルに疑問を持たれる可能性があります。また、ITパスポートの資格があるからといって、IT系職種への就職や転職の際に必ずしも有利に働くわけではありません。なぜなら、ITパスポートの出題範囲はIT系職種なら一般常識レベルに相当する内容でしかないからです。誰でも持っているので、むしろ持っていないと不利になるでしょう。
ITパスポート試験の概要・内容・出題内容
ITパスポートは、ITや経営全般に関する社会人に必要な基礎知識を身に付けることができる国家試験です。試験はCBT(Computer Based Testing)方式で行われ、試験会場に用意されたPCを使って受験します。以降では、ITパスポートの試験概要(受験日・受験会場・受験方法)および試験内容(試験時間・問題数・出題形式・出題範囲・出題内容)、各分野の出題内容について解説していきます。以下の表のとおりです。
試 験 概 要 |
概要 | 説明 |
受験日 | 全国の試験会場で、随時実施(試験会場により異なる) | |
受験資格 | 年齢・国籍を問わず誰でも受験可 | |
試験会場 | 試験開催状況一覧より確認 (3カ月後までの開催状況を確認できる) |
|
受験料 | 7,500円(税込み) | |
受験方法 | (1)利用者情報の登録を実施 (2)受験申し込み手続きを行う |
|
試 験 内 容 |
試験時間 | 120分(特別措置対象者は180分) |
出題形式 | CBT方式・四肢択一式(特別措置の場合は筆記) | |
問題数 | 小問:100問 | |
出題範囲 | ストラテジ系(経営全般):32問 マネジメント系(IT管理):18問 テクノロジ系(IT技術):42問 (総合評価は92問で行い、残りは今後出題する問題を評価するために使われる) |
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出 題 内 容 |
ストラテジ系 |
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マネジメント系 |
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テクノロジ系 |
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ITパスポート試験の合格点・合格率・難易度
ITパスポート試験の合格点や難易度、合格率について見ていきましょう。■ITパスポート試験の合格点
公表されているITパスポート試験の合格点は、以下のとおりです。
総合評価点 | 600点以上/1000点(総合評価の満点) | |
分野別評価点 | ストラテジ系 | 300点以上/1000点(分野別評価の満点) |
分野別評価点 | マネジメント系 | 300点以上/1000点(分野別評価の満点) |
分野別評価点 | テクノロジ系 | 300点以上/1000点(分野別評価の満点) |
総合評価点が600点以上あり、なおかつ各分野で300点以上の得点が求められます。
過去問を解いてみて全体の正答率が60%未満の場合は合格ラインに乗らないため、受験勉強を進める必要があります。また、3つの分野それぞれの正答率が30%未満だと不合格となるため、苦手分野はしっかりと克服しなければなりません。後ほど解説する勉強方法を参考にしながら、合格に向けて取り組んでみましょう。
■ITパスポート試験の合格率と難易度
合格率と難易度について、2024年7月時点の最新の統計情報(2024年4月~2024年6月度の累計)を基に説明します。全体の合格率は51.7%で、社会人で見ると54.3%。業務別で見ると、IT系に勤める社会人の合格率が58.1%、非IT系に勤める社会人の合格率は53.6%となっています。
なお、社会人におけるITパスポート試験の応募者の約7割が非IT系業務に勤めており、あらゆるビジネスパーソンが積極的に受験していることが分かる数字です。
一方で、学生の合格率は大学生48.5%、専門学校25.2%、高校生27.4%となっています。高校生でも4人に1人以上は合格しているため、受験勉強をしっかりしておけば、合格は十分に可能な試験と言えるでしょう。
ITパスポート試験の過去問(無料):まず力試し
ITパスポート試験は情報処理の基本的な知識を問う試験であり、仕事でPCを使用していればある程度答えられる問題もあります。ITパスポート試験に合格できるかどうかは、過去問を解いてみるのが一番分かりやすいです。まずは過去問を解いて、自分の実力を確認してみましょう。ITパスポート試験の過去問については、以下の公式サイトですべて公開されており、10年超分の過去問の冊子データと解答例がまとめられています。
【ITパスポート試験】過去問題(問題冊子・解答例)まずは、リストの先頭にある最新年度の過去問を解いてみましょう。回答できそうなら本番同様の試験時間である120分で問題を解き、解答例を見て採点することで現状の実力を確認できます。
ITパスポート試験に必要な勉強時間
独学で受験勉強を進める場合、ITパスポート試験の合格に必要な時間は一般的に100~180時間、IT業界での勤務経験があれば100時間程度で合格できるとされています。もちろん、IT機器にあまり触れたことがない場合や分からない用語が多い場合は、どうしても勉強に時間がかかるでしょう。効率良く受験勉強を進めるためには、まず過去問を解いて自分の弱い分野をチェックすることが重要です。苦手な分野を繰り返し勉強し、正答率を地道に上げていきましょう。全体の正答率6~7割を目指して合格ラインを越えるように勉強を進めれば、ITパスポート試験に十分合格できます。
【次ページ】独学での勉強方法や注意点、取得のメリット・デメリットを解説
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