- 会員限定
- 2015/10/22 掲載
進まない「IT産業の地方創生」、それを変えるたった1つの方法
既存産業に依存し、IT産業育成に目が向かない自治体
「静岡は東海道沿いにあり、古くから栄えていました。さらにヤマハやスズキなど製造業が基幹産業として地域を支えてきたので、恵まれた地域と言っていいでしょう。しかしそれゆえに、IT産業に力が入らないという課題も抱えています」(杉本氏)
柱となる産業が既にあるので、新たな産業を育てようという強い意識が自治体にないのだと杉本氏は言う。
そうした姿勢は、市からの発注にも現れる。一般に地元の産業を保護・育成しようとする場合、事業案件への入札にはエリアや規模などの条件が付けられる。たとえば土木・建築工事においては、規模により市内や周辺エリアの企業に限定して入札を行うことで、地元企業を育成するが、湖西市や浜松市がIT案件を発注する際にそうした制限が設けられることはないという。
「ITを地元の産業として育てる気があるなら、地元企業に限った案件なども出てくるはずです。しかし実際にはエリアが限定されることはなく、東京から大手企業が応札してきます。入札は基本的に価格競争ですから、大企業相手に地元企業の勝ち目はありません」(杉本氏)
こうした事情は自治体が発注者の場合に限らない。地元には大手の製造企業があり工場もあるが、そこで使われるシステムは大規模なものばかり。もちろんすべて、東京の大手IT企業がサポートしている。
下請けの部品工場など中小企業が多いのも、製造業が盛んな土地の特徴のひとつ。そうした企業のIT需要はないのかと尋ねたところ、小規模な工場はネットワーク化もされておらず、工作機器と操作用のPCがセットで導入されるのでやはり入り込む余地はないそうだ。
「結局、地元企業のサーバを預かったり、ホームページを作って更新作業を支援するくらいしかできないのが現状なのです」(杉本氏)
ITがインフラになるとき、何が差別化要因になるのか
杉本氏が代表を務めるパドラックでは、ホスティングやバーチャルドメインサービス、Webサイトの作成、運営を行っている。かつては、地元サッカーチームであるジュビロ磐田のiモードサイトも運営していた。その後はJリーグと日本代表の3キャリア公式メニューサイト「J’sゴール」の開発構築へと発展し、これは日本初のスポーツ系携帯ポータルサイトとなった。
【次ページ】IT産業の地方創生はこう変わる
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました